コスモ・ロータリー 【1981,1982,1983,1984,1985,1986,1987,1988,1989,1990】

世界初ロータリーターボ搭載のスペシャルティスポーツ

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空力に優れたスタイリッシュな外観

 3代目コスモは、まず2ドアハードトップが9月1日にデビュー。10月1日に4ドアハードトップが加わり、10月16日にサルーンモデル(セダン)が誕生した。2カ月をかけて、3つのボディが揃うという難解なデビューであった。3つのボディスタイルの中で、最もコスモらしいのは2ドアハードトップモデルである。そもそも1967年に発売されたコスモスポーツ、2代目のコスモAP、そしてコスモ最後のモデルとなった1990年デビューのユーノス コスモのいずれもが2ドアの流麗なスタイリングを持っていた。3代目コスモは、ルーチェと兄弟車という関係を持ち、4ドアハードトップとセダンはルーチェにも設定されたが、2ドアハードトップモデルはコスモ専用のスタイリングだった。

 空力性能を追求したスタイルは4灯式のリトラクタブルヘッドライト、低く抑えられたボンネットフード、薄いラジエーターグリルを採用。2ドアスペシャルティとしての個性を存分にアピールした。ガラス面積をたっぷりとったグラッシーなキャビンも2ドアハードトップの魅力となっていた。Cd値は0.32。世界トップクラスの性能を誇っていた。
 インテリアは、未来感覚あふれるデザインが採用され、インパネセンター部分にはシルバーパネルを装着。操作スイッチの多くはメータークラスターに配置された。

ロータリーターボは160ps/23.0kg-mを発揮

 デビュー当初、2ドアハードトップに搭載されたエンジンは、2リッター直列4気筒SOHCのEGI仕様(120ps/17.0kg-m)、同ユニットのキャブレター仕様(110ps/17.0kg-m)、そして573cc×2の直列2ローターユニット(12A型6PI)の3種。ロータリーユニットは、自然吸気式で最高出力130ps/7000rpm、最大トルク16.5kg-m/4000rpmのパワースペックを誇った。

 1982年9月、ハイポテンシャルな12A型ロータリーに大きな出来事が起こる。それは、世界初となるロータリーターボユニットの登場だ。新開発12A型ロータリーターボユニットを、ルーチェとともにコスモが搭載。12A型ロータリーに、日立製ターボユニットとEGIを組み合わせ、最高出力は160ps/6500rpm、最大トルクは23.0kg-m/4000rpmをマーク。自然吸気の12A型と比較して、実に30ps/6.5kg-mもパワフルな性能を発揮した。

装備充実のスポーツグレードGTを設定

 12A型ターボは、2ドアハードトップではリミテッドとGTの2つのグレードに搭載。軽いウェイトのGT(1145kg)では、パワーウエイトレシオ7.1kg/psという値をマークした。当然、足回りも強化され、ブレーキは4輪ベンチレーテッドディスクに格上げ。GTグレードでは足元に195/70HR14アドバン製ラジアルタイヤを装着した。そのほか、バケットタイプシート、アルミホイールもGTグレードには標準だ。その一方で、オーディオやパワーウィンドウは省かれ、走りに特化したモデルとなっていた。

 リアルポーツのRX-7にロータリーターボユニットを投入したのは1983年9月。コスモには約1年も早く12A型ターボが積み込まれた。圧倒的な加速感でロータリーファンの垂涎の的となったばかりでなく、走りを愛する多くのドライバーたちを刺激した。