アスカ 【1997,1998,1999,2000,2001,2002】

5ナンバーボディ&VTECエンジンの最終モデル

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アコードをベースにした4代目の登場

 1983年4月にデビューを果たしたいすゞ アスカは、すっきりとした印象の4ドアボディデザインと、イルムシャーと共同開発したスポーティー仕様などで、クルマ好きの注目を集めた。1985年に登場した2代目ジェミニ(FFジェミニ)と同世代のモデルで、ジェミニのヒットの追い風も受け、アスカもその国際感覚に満ちたキャラクターやターボモデルのポテンシャルが人気に繋がった。イルムシャー仕様や、中古モデルに特別仕様を組み込んだカゲムシャー仕様など話題に事欠かないモデルだった。

 2代目以降は、他社からのOEM供給車となる。1990年6月にデビューした2代目はアスカCXという名称で、スバルのレガシィセダンの供給を受けたOEM車だった。1994年3月にフルモデルチェンジを受け、3代目はホンダ アコードのOEM供給を受けてデビューする。
 1997年9月、4代目が登場する。3代目に引き続いて、ホンダからアコードの供給を受けた。当時のアコード(6代目)はトルネオという兄弟車も存在するが、アスカはアコードがベースになる。では、その詳細を見ていこう。アコードとの差異はごくわずかに抑えられた。

5ナンバー枠の引き締まったボディを採用

 3代目アスカは3ナンバーボディを採用した5代目アコードをベースにしたワイドボディーを持っていた。4代目アスカでは国内専用ボディを持つアコード同様、5ナンバーボディへと回帰している。それだけに、4代目アスカでは引き締まった体の筋肉質なエクステリアデザインが特徴になる。プラットホームとモノコックは新設計となり、ボディ剛性の引き上げも施された。ボディサイズは、4735mm×1695mm×1420mm。全幅が65mmもスレンダーになった。上級グレードはディスチャージヘッドライトを装備。フロントマスクは、シャープな印象のヘッドライトまわりのデザインが特徴で、フロントグリルはアスカ専用パーツを用いて3分割デザインへと変更されている。グリル中央にはもちろんHマークでなく、「ISUZU」のロゴが備えられた。

 ボディ同色のグリップタイプのドアハンドルを持つクリーンで洗練されたサイドビューや、ガーニッシュなどを持たず左右に台形デザインのテールランプを配したシンプルな造形のリアビューなど派手さはないが、スマートなデザインは多くの人に好感も持って受け入れられた。フロントグリル&エンブレムのほか、アコードとの違いは、サイドとリアのエンブレム、そしてアルミホイールもしくはホイールキャップ中央のエンブレムのみとなっていた。

全車パワフルなVTECユニット搭載

 インテリアのデザインも、ステアリングセンターのマーク以外はアコードと共通で、サイドのサポート性を強めたスポーティーな印象のフロントシート、メーターナセルがセンター部分まで伸びた一体感あるデザインのインパネが特徴だ。メーターは、センターにスピードメーター、左にタコメーター、右に燃料計などの補助メーターが並ぶ3連メーターパネル。ステアリングのギア比をバリアブルに変化させる可変ステアリングギアレシオ(VGR)や電動パワーステも組み込む。

 搭載エンジンは、2リッターと1.8リッターのVTEC付きSOHCユニット。2リッターは1997cc直列4気筒SOHC16V(F20B型、LEV)で、最高出力は150ps/6000rpm、最大トルク19.0kg-m/5000rpm。1.8リッターは1849cc直列4気筒SOHC16V(F18B型)で、最高出力は140ps/6100rpm、最大トルク17.2kg-m/5000rpm。トランスミッションはどちらも5速MTと4速ATを用意していた。
 アスカはこの4代目を最後にいすゞのラインアップから姿を消す。初代から継承された質の高いセダンモデルとしてのキャラクターは、歴代に渡って大きな魅力であった。