ブルーバード 【1991.1992.1993.1994,1995,1996】

9代目はセダンとHTでキャラクターを明快に分離

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2ボディ、3タイプでシリーズを構成

 1991年9月に発売されたU13型で、ブルーバードは1959年8月に発売された初代(310型)以来、第9世代となった。1983年10月発売の第7世代(U11型)で前輪駆動方式へと転換しており、新しい第9世代では前輪駆動(FF)と、4輪駆動(4WD)から選べた。

 ボディバリエーションは、ノッチバックの5人乗り4ドアセダンと4ドアハードトップの2種である。ハードトップ系は厳しさを増した側面衝突時の安全性を高めるため、新たにセンターピラーを追加したピラードハードトップとしている。モデルバリエーションは、セダン系にスポーティーモデルのSSSおよびジェントルなEEXを、ハードトップ系にはお洒落なARXを設定。フロントエンドの造形やボディーカラー、室内儀装などに独自性を持たせてキャラクターの差別化を図った。ボディサイズはホイールベース2620㎜、全長4585㎜、全幅1695㎜、全高1405㎜(ハードトップの全高は1370mm)で、旧型(U12系)に比べてひと回り大きくなっていたが、サイズ的には5ナンバーサイズを維持していた。

ガソリンは全てDOHCユニットに進化

 ボディは2種類だったが、搭載されるエンジンは5種類があり、エンジンの違いでクルマの性格を大きく変え、実際上のバリエーションを増やしていた。エンジンはガソリン仕様4種がすべてDOHCレイアウトとなった。ディーゼル仕様も用意されていた。

 ガソリン仕様は直列4気筒で、最もベーシックな排気量1596㏄(GA16DS型、出力97ps/6000rpm)、1838㏄(SR18DE型、125ps/6000rpm)、1998㏄(SR20DE型、145ps/6400rpm)、およびトップグレード用として1998㏄にインタークーラー付きターボチャージャーを組み合わせた(SR20DET型、210ps/6000rpm)パワフルな仕様があった。また、ディーゼル仕様は排気量1973㏄SOHC(CD20型、76ps/4800rpm)となっていた。

スーパートーコントロールサスを全車に装備

 トランスミッションは5速マニュアルと4速オートマチックが選べた。オートマチックは、グレードによっては電子制御方式を採用したE-ATとなっていた。4輪駆動システムはビスカスカップリング(VCU)を3個使ったフルタイム4輪駆動方式であるアテーサシステムを採用。サスペンションは前がストラット/コイルスプリング、後ろはパラレルリンクストラット/コイルスプリングを装着していた。ブレーキは4輪ディスクと、前ディスク&後ろドラムをグレードによって使い分ける。また、特筆すべきは、後輪サスペンションに、後輪の角度を状況に応じて一定の範囲で調整することにより、安定したハンドリングと高速走行を実現する、スーパートーコントロール(STC-Sus)が全車に標準装備とされていたことである。

 1993年8月、U13型ブルーバードはマイナーチェンジを受けた。最大の注目ポイントは、米国仕様と同様の2.4リッターエンジンを積む上級版、3ナンバー仕様の投入だった。搭載ユニットは海外向け240SXやアルティマSSSと共通で、日本国内ではラルゴに搭載していたKA24DE型である。2388cc直列4気筒DOHC16Vで、最高出力150ps/5600rpm、最大トルク21.5kg-m/4400rpmのスペックを誇った。そのほか、フロントマスクとリアビューを中心にエクステリアをリファイン。インテリアでは装備の充実化を図り、足踏み式パーキングブレーキを採用した。また、小物入れの充実のほか、助手席エアバッグの全車オプション設定もマイナーチェンジのメニューだった。

 9代目を迎え、長い歴史を持つブルーバードシリーズは熟成された。これ以上の発展を望むとすれば、全く新しいアプローチが必要なレベルに達していた。果たして、1996年1月にデビューした第10世代モデル(U14型)を以て、「ブルーバード」単独の名を持つモデルは、歴史に終止符を打つ。そして、次世代モデルのブルーバードシルフィは、2012年にブルーバードの名が外れて「シルフィ」となり、ブルーバードの名称は過去のものとなった。