館長日記14 MINIクーパーS Eクロスオーバー・オール4 【2021】

MINIの電動モデルは、溌剌、お洒落、走りも魅力的です!

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名車文化研究所の館長は、もちろん無類のクルマ好き。
得意なのは「ちょっと古いクルマ」だけではありません。最新モデルも興味シンシン。現在でも自動車専門誌「CAR and DRIVER」の編集委員としてバリバリ取材をこなしています。
その日常を「館長日記」としてご紹介します。今日はMINI唯一のPHV(=電動車)、クーパーSEです。
名車文化研究所・館長 横田宏近/写真 小久保昭彦
日常ユースをEVとして走れるMINI。しかも電欠の心配なし!

 ユニオンジャック柄のリアランプを採用するなど、各部をリファインした最新MINIクロスオーバーの中で、注目度を高めているのがクーパーSEです。クーパーSEは、MINIラインアップ唯一のPHV(=電動車)。1.5Lの直3ターボ(136ps/220Nm)とモーター(88ps/165Nm)を組み合わせ、1充電当たり53.0㎞(WLTCモード)のEV走行距離を実現しました。

 日本の一般ユーザーの一日当たりの平均走行距離は50km以下ですから、日常ユースを電気だけで走れる環境対応車というわけです。そのうえMINIらしく、パフォーマンスは強力。システム総合出力/トルクは223ps/385Nmとパワフル。その気になれば圧倒的な速さが楽しめるマルチ派でもあります。駆動方式が4WDという点も頼りになります。日常の足としてBMW330e(こちらもPHVです)を使っている館長は、乗るのを楽しみにしていました。

走りは「オートeドライブ」がお勧め。キビキビ&インテリジェンスが味わえます!

 PHVモードは、MMAX・eドライブ/オートeドライブ/SAVEの3種。デフォルトはバッテリー容量がある限り、電気で走るMAX・eドライブ。この状態でのドライビングはリアルEVでした。静かでスムーズな先進ドライビングが楽しめるのが魅力です。モーターの最大トルクは165Nmですから、さほどパワフルな印象はないものの加速力は十分。スムーズに周囲の流れに乗り、リードできました。ただし、あまりに洗練されているためMINIらしいライブな味わいは希薄。そこが玉にキズだと感じました。

 お勧めはオートeドライブ。エンジンとモーターを最適効率で制御して走るモードです。バッテリー容量に余裕がある限り、モーター走行が主体になりますが、強い加速シーンや高速道路ではエンジンがアシスト。気持ちのいい走りとともに、バッテリー容量を巧みにキープします。いわばモーターとエンジンの「いいとこ取り」のイメージ。MINIに期待するキビキビさと、PHVらしいインテリジェンスが味わえるのがこのモードです。
 ちなみに電池容量が減っても空になることはなく、残量3%前後をキープします。電池が減っても通常のハイブリッド車と同様の走りが味わえるのはうれしいポイントです。加速初期はモーターが担当し、スピードが乗るとエンジンに切り替わる制御は実に巧み。しかも標準モデルと比べ静かな印象で、エンジン音は耳につきません。

 SAVEは、エンジンが主役。エンジンで発電し充電も行うので、充電モードとしても使えます。プラグでの充電は200Vの普通充電に対応。約3.5時間で満充電になります。

高い完成度に感動。一歩先を行くMINIでした!

 館長の330eのデフォルトPHVモードは、オートeドライブです。MINIとは異なります。その理由をインポーターに尋ねたところ「バッテリーを含めた電動システムの総合的な制御が進化したため、日常はEVとして乗れるようになったからではないか」とのことでした。確かに走行中にいっさいCO2を排出しないEV走行は、電動車の大きな魅力。MINIクーパーSEは、その点を強調したクルマというわけです。

 クーパーSEは、MINIらしい楽しさと先進性、そして上質さが凝縮した高機能モデルでした。走りはスポーティで環境に優しく、室内空間はユーティリティ抜群。駆動方式は4WDだから、道を選びません。一歩先を行くカーライフを楽しみたいと考えるアクティブなユーザーに最適な選択肢だと感じました。