ミニカ・タウンビー 【1997.1998】

7代目ミニカに設定された個性的なレトロ調モデル

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レトロ調軽自動車ブームへの対応

 1990年代中盤の軽自動車市場は、レトロ調モデルが高い人気を博していた。先鞭をつけたのは、富士重工業(現SUBARU)が1993年12月に発売した「サンバー・ディアス・クラシック」。軽1BOXの上級仕様であるディアスをベースに、外装ではクロームメッキグリル&ドアミラーや丸目2灯式ヘッドランプ、シルバー塗装スチールバンパー、専用ボディ色のクラシカルグリーンおよびクラシカルアイボリーなどを、内装では専用カラーのトリコット地シート&ドアパネルやホワイト地メーター(数字等レタリングはブラウン)&空調スイッチパネルなどを組み込んだディアス・クラシックは、ホビー感覚あふれる独自のレトロルックが好評を博し、たちまちヒット作に成長した。
 富士重工業のレトロ調のデザイン路線は、軽乗用車のヴィヴィオにも1995年11月に導入される。車名は「ヴィヴィオ・ビストロ」。華やかで高級なレトロムードを醸し出したビストロは、デビューと同時に販売台数を大いに伸ばした。

 レトロ調モデルは軽自動車の新たな人気カテゴリーになる−−。そう判断したライバルメーカーは、相次いで同イメージの競合モデルを発表していく。スズキは1996年8月にセルボCを、ダイハツ工業は1997年8月にミラ・クラシックをリリース。そして三菱自動車工業は、1997年1月にミニカ・タウンビーを市場に放った。

ネオクラシックなスタイルで市場デビュー

 7代目ミニカの自然吸気エンジン(4A30型659cc直列4気筒OHC16V)仕様の3/5ドアをベースとするタウンビーは、外装にチタン調メッキの超大型横桟グリルと分割式のバンパーコーナーガーニッシュ、サイドターンランプガーニッシュ、ドアミラー、ハーフホイールカバー、バックドアモールを装備。さらに、光輝タイプのヘッドランプモールおよびホイールアーチモールやメッキサイドシルモール、チタンカラーのサイドストライプ、丸型リアコンビネーションランプといった専用パーツを組み込んだ。

ボディカラーはピレネーブラック/ロアンヌレッド/ラガーディアシルバーの3タイプをラインアップする。他メーカーのレトロ調モデルとの違いは、パーツの後付け感が小さくてまとまりがいいこと。元々の丸みを帯びたスタイリングや丸目ヘッドライトの魅力が十分に活かされていて、独特の“ネオクラシック”な雰囲気が漂っていた。
 インテリアはフルトリムで仕立てたうえで、インパネおよびドアアームレストへの木目調パネルの装着、ベージュ系のソフトレザー&チェック柄を配したシート表地の採用、シート表地と同様のチェック柄を貼ったドアトリムの設定などを実施する。快適装備も充実しており、油圧パワーステアリングや電波式キーレスエントリーシステム、UVカットガラス、エアコン、AM/FM電子同調ラジオ付カセットオーディオなどを組み込んでいた。

より上品でスタイリッシュな「タウンビーⅡ」を設定

 「オモシロ生活、はじめましょ。」というキャッチコピーを冠し、ハイトワゴンのトッポ・タウンビーとともに颯爽と登場したミニカ・タウンビーは、その独特のレトロ調スタイルとオシャレな内装が好評を博し、たちまちミニカ・シリーズの主力モデルに成長していく。その人気をいっそう高めようと、開発陣はさらにスタイリッシュで個性的なレトロ調モデル、「ミニカ・タウンビーⅡ」を1997年10月に発売した。

 エクステリアについては、新作のメッシュ型フロントグリルに丸型“出目金”ヘッドランプ、大型電動リモコンメッキドアミラーなどをセット。ボディカラーには従来から好評のピレネーブラックとロアンヌレッドのほか、新たにシンフォニックシルバーを設定する。インテリアには本革風新素材のプロテインレザーおよび新ファブリックの表地を採用した専用シートを組み込んだ。車種設定も豊富で、ボディタイプは3/5ドア、トランスミッションは5MT/3AT、駆動方式はFF/フルタイム4WDを選択可能とする。また、タウンビーⅡのデビューに合わせて既存のタウンビーの一部改良も実施し、フルタイム4WDの設定や抗菌処理インテリアの採用などを行った。

 ミニカは1998年10月になると軽自動車の新規格に則した8代目へと移行する。ここで一時期タウンビーはカタログから外れるものの、1999年1月には復活。よりレトロモダンなスタイリングを纏った1台へと発展したのである。