インプレッサWRX・STi 【2000,2001,2002,2003,2004,2005,2006,1007】

ラリーで鍛え上げた超一級アスリート

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匠の技が結集された珠玉のSTi

 2000年10月に、インプレッサは2代目に進化する。同タイミングでWRX・STiも新型に移行した。STiとは、スバルのラリー活動の一切を取り仕切るセクションで、モータースポーツ用ハードウェアの開発も手掛けるSubaru Technica international社のイニシャル。STiは1990年シーズンから、デビッド・リチャーズが代表を務める英国プロドライブ社と協力してWRC(世界ラリー選手権)への挑戦を開始。ちなみにWRXのネーミングはSUBARUブランドとして初めて世界選手権を戦ったレオーネRXの名を受け継ぎ、それにWRCをイメージした“W”を加えたもの。STiが各部を調律したファインチューンドモデルがWRX・STiと言うわけだ。

2代目は6速ミッション&高剛性ボディで進化!

 2代目のWRX・STiは、独創の2.0リッターの水平対向ターボとシンメトリー4WDのパワートレーンをベースに、新開発の6速ミッションを組み合わせた超一級のファイターだった。とくに“ガラスのミッション”と呼ばれた従来の5速ミッションが、タフな6速ミッションとなったのが好評を博す。ブレーキは前対向4ポッド、後対向2ポットのブレンボ製に格上げされた。ちなみにパワースペックは最高出力こそ280psのままだったが、トルクは2kg/mアップの38kg・mをマークした。

 2代目は初代同様、年を重ねるほど戦闘力を高める。2002年11月のマイナーチェンジでフロントマスクを一新。同時に最大トルクが40.2kg・mにアップした。DCCS(ドライバーズコントロールデフ)にも改良の手が入り、基本トルク配分を35対65に変更。俊敏な操縦フィールを実現する。

軽量でしかも走りを磨いたスペックC登場

 2004年6月にはシリーズ全体がマイナーチェンジを受ける.それに伴ってWRX・STiとWRX・STiスペックCには、決して派手ではないが実質的な改良が加えられた。外観上は後輪フェンダーのホイールアーチに小さな樹脂製プロテクターが加えられた。装着タイヤのワイド化に伴う改良である。ブリヂストン製ポテンザは、旧型の225/45ZR17から 235/45ZR17へ若干ワイド化する。BBS製ホイールも旧型の7.5Jから8Jへと拡がった。

 新型のホイールベアリングはボールベアリング式。ホイールのPCDは100mmから114.3mmへと拡がった。タイヤサイズの拡大はタイヤに入るエア量も増えることになり、ステアリングや駆動系のレスポンスが向上、乗り心地の改善にも寄与する。WRX・STiは完全なコンペティションモデルではなく、市販車として一般公道を走るのだから、実用的な部分のレベルアップは欠かせない。

最大トルクは42kg・mに増強

 最も重要なエンジンは水平対向4気筒ターボ。EJ20型と形式名に変更はなく、排気量も旧型と共通の1994cc。しかし、インタークーラーのサージタンクおよび吸気ダクトの形状変更と触媒の見直しで排気抵抗を低減。同時にターボチャージャーの過給圧も僅かながら高められた。カタログ上の最高出力表示は旧型と同じ280psだが、その発生回転数は6000rpmから6400rpmへと変更され、トルクは40.2kg・mから42.0kg・mへと向上、発生回転数の4400rpmはそのまま。トルクピークの回転数が相対的に引き下げられることになり、フレキシビリティは大幅に向上した。

 この他にもボディ剛性を高めるストラット・タワーバーを採用、ステアリングギアボックスの改良で、極限状況でのキックバックを少なくした。リアサスペンションはアーム類の軽量化を図るためにアルミ素材を用い、トランク下部にはボディ剛性向上のためのブレースバーを取り付けている。スペックCの車重は標準型WRX比で90kg軽量化を実現(1370kg)となっていた。
 WRX・STiは2005年6月に再びフロントマスクを一新し空力性能を改善。同時にDCCSのチューニング変更とトルク感応型機械式LSDにより操縦性を見直した。前後トルク配分は41対59。最大トルクは43kg・mへとさらにアップしていた。