コルト・ギャラン 【1969,1970,1971,1972,1973】

躍動的な外観とシャープな走りの意欲作

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スタイリッシュなギャランの誕生

 ファミリーカーの「コルト」や大型高級車「デボネア」で自動車シーンに着々と地盤を築いた三菱は、1969年12月に新型乗用車の「コルト・ギャラン」を発売する。車名のギャラン(Galant)は、フランス語で洗練、華麗などの意味を持つ。

 ギャランは、それまでの質実剛健な三菱車のイメージを一新。ジウジアーロが手がけた造形を、三菱社内のスタッフが手直ししたものと言われるスポーティかつスタイリッシュなスタイリング、三菱初のOHCエンジンの搭載など、大いに注目された。

トップモデルのGSはクラス最速

 当初のボディは4ドアセダン1種だったが、シリーズは標準型のAⅠ、上級仕様のAⅡがあった。搭載されたエンジンはAⅠ用が排気量1289ccの直列4気筒SOHCで、出力87ps/6300rpm、トルク11.0kg-m/4000rpmを発揮。AⅡ用は排気量が1499ccに拡大され、95ps/6300rpm、13.2kg-m/4000rpmを発揮した。車重はAⅡでも835kgと軽く、4速MTを介して最高速160km/hが可能だった。価格はAⅡで67万1000円と、絶対的な性能からすれば十分にお買い得であった。

 AⅡにはトップモデルとして、エンジンの圧縮比を10.0に上げ、2基のSUキャブレターで105ps/6700rpmと13.4kg-m/4800rpmにチューンアップしたGSグレードがあった。GSの最高速度は175km/h、0→400m加速は16.9秒でクリアーした。当時このクラスでは文句なく最速のモデルだった。

 エンジンは、OHC形式、完全燃焼を追求したMS型燃焼室、クロスフローシステム、ダブル5ベアリングなどベース車の高級機構をそのままに、SU可変ベンチュリー式ツインキャブやデュアルエグゾーストパイプを装備。パワーウェイトレシオは、8.1kg/psをマーク。インテリアは、ウッドステアリング、丸型メーター、バケットシートなどで武装。ラリーなどのモータースポーツ好きユーザーのために、目的に応じてチューンアップできるスポーツキットも用意していた。

スポーティな三菱のイメージリーダーに

 ギャラン・シリーズはこの後、大胆なダックテールスタイルを採用したスペシャルティクーペのGTO、4ドアセダンをベースにしたとは思えないスタイリッシュなハードトップを加えながら、スポーティーカーの三菱というイメージを確立していくことになる。
 モータースポーツ分野でも、優れたパフォーマンスでラリー界を席巻。日本だけでなくオーストラリアのサザンクロス・ラリーなど海外でも高い実力を見せつけた。