館長日記13 ダイハツ・タフトGターボ 【2021】

ちょっぴりワイルド、爽快で力強いKカーSUV。いいと思います!

会員登録(無料)でより詳しい情報を
ご覧いただけます →コチラ


名車文化研究所の館長は、もちろん無類のクルマ好き。
得意なのは「ちょっと古いクルマ」だけではありません。最新モデルも興味シンシン。現在でも自動車専門誌「CAR and DRIVER」の編集委員としてバリバリ取材をこなしています。
その日常を「館長日記」としてご紹介します。今日はKカーSUVの注目株、ダイハツ・タフトです。
名車文化研究所・館長 横田宏近/写真 小久保昭彦
SUVはKカーが便利で最高だと思っています

 個人的に、日本の道路環境にぴったりのSUVは、Kカージャンルのクルマではないか、と考えています。最近のKカーは走りの性能がぐっと向上しロングクルージングを楽々とこなしますし、室内やラゲッジスペースは独自のアイデアが満載。もちろんフィールドでは、コンパクトサイズの利点で、気軽にどこでも入って行けます。ランニングコストもリーズナブルですし、本当に魅力的だと思います。

 KカーSUVの中で、館長がハスラーとともに注目しているのが、ダイハツのタフトです。ラインアップはGターボ、G、Xの3グレード構成。全車にFFと4WDを用意しています。今回は上級版のGターボのFF仕様に試乗しました。

ターボの走りは余裕たっぷり。意外に速く快適

 Gターボのパワーユニットは64ps/100Nmを発揮する直3DOHC12Vターボ。自然吸気のGと比較して12ps/40Nmもパワフルです。走りはスペックどおりの力強さが味わえました。自然吸気エンジン車でも通常の交通の流れに乗るには十分なパフォーマンスの持ち主でしたが、Gターボなら積極的に流れをリードできます。
 アクセルを軽く踏み込むだけで気持ちよく加速し、高速道路のクルージングも余裕しゃくしゃく。自然吸気車の場合、追い越し時や急坂でパワーモードを選択したくなりましたが、Gターボは標準モードのまま十分な力強さが味わえました。街乗りだけでなく、ひんぱんに長距離ドライブを楽しむドライバーには、Gターボがおすすめだと思います。

 車両価格は自然吸気のG比で12万1000円高。一見、その差はかなり大きいと感じますが、Gターボは、アダプティブクルーズコントロールとレーンキープコントロールが標準装備(Gでは4万4000円のop)。実質的な価格差はさほどではありません。
 アダプティブクルーズコントロールは渋滞時にも威力を発揮する全車速対応タイプ。制御はスムーズかつ的確でドライバーの安心感をぐっと高めてくれます。ちなみに外観上でGターボを見分けるポイントはアルミホイール。Gはシルバー塗装、Gターボは精悍なガンメタ塗装で、ちょっぴりハンサムになります。

セミオープン感覚が味わえる「スカイフィールトップ」を標準装備

 タフトの魅力は、開放的な室内空間にあります。前席上部をガラスで仕上げたスカイフィールトップを標準装備しています。このアイテムのメリットは絶大。セミオープン感覚のクルージングが楽しめました。前方だけでなく,上方の景色も楽しめる体験は新鮮です。都会では高層ビルの景観が楽しめ、アウトドアでは自然の息吹がよりリアルに感じられるのです。トップは固定式のため風を感じることはできませんが、それでも光とワイドな視界が得られるのは新鮮な体験でした。ガラス面は紫外線や赤外線を減らすスーパーUV&IRカット機能付き。手動式のシェードも標準装備されますし、開けたままでも快適にすごせました。

 ちなみにタフトの主要メカニズムは,タントと共通です。ダイハツの新クルマ技術DNGAが全面投入され、各部の完成度はハイレベルといえます。しかも室内スペースは広く、ラゲッジスペースは使い勝手優秀。静粛性も全般的に優秀です。大径タイヤの採用で190mmの最低地上高を確保した点も嬉しいポイントです。現状でも不満はありませんが、これでもう一段階、ボディのしっかり感がアップし、足回りがしなやかなになれば、満足度は大幅にアップすると思います。タフトは行動派の名パートナー、でも「ハスラーとどっちを選ぶ?」、と聞かれると、個人的にはハスラーと答える気がします。