クラウン 【1974,1975,1976,1977,1978,1979】

4ドアピラードHTが新登場したフラッグシップ

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洗練されたエクステリアデザイン

 上質感と風格を磨き上げて登場した5代目クラウン。ボディーバリエーションは、従来からの4ドアセダン、2ドアハードトップに加え、4ドアのピラードハードトップが新たに追加された。安全性の確保のため、センターピラーとサッシュレスドアを組み合わせるのが、新たなバリエーションとなる4ドアハードトップの特徴。現代ではポピュラーなピラードハードトップ形状だが、5代目クラウンの4ドアハードトップはその先駆けとして登場している。

 エクテリアデザインは、ロングノーズかつロングテール。当時の米国車にも通ずる伸びやかなフォルムが特徴だった。またリアピラーの付け根付近で弧を描くサイドビューのポップアップラインも5代目クラウンの魅力である。ヘッドライトは、ボディースタイルで使い分け、セダンがオーソドックスな丸目4灯式、ハードトップ系はスポーティーなムードを演出した角目2灯式になっていた。
 ボディサイズは、4ドアセダンで全長4690mm×全幅1690mm×全高1440mm。従来の4代目と比較すると、全長が10mm長く、全幅が20mm幅広い。厳しさを増していた排出ガス規制対策に備えるためエンジンルーム拡大なども実施したが、全幅の拡大によって、居住性が引き上げられた。

3タイプの直6ユニットを搭載

 6気筒SOHCのM型系エンジンは当初、2.6リッター、2リッターのキャブ仕様、そして、2リッターEFIユニットを設定。4ドアセダン、4ドアハードトップ、2ドアハードトップのそれぞれにこの3ユニットを搭載し、ボディータイプごとに2600シリーズ、2000EFIシリーズ、2000シリーズという呼称が存在した。

 エンジンを紹介すると、2.6リッターは2563ccの4M型で最高出力140ps。2リッターのキャブ仕様は1988ccのM-C型で出力は115ps。2リッターのEFIユニットはM-E型で、M-C型と同じく1988ccだが、出力は135psを発揮した。

 サスペンションは、基本的には先代のものを踏襲する形で、フロントサスペンションがダブルウィッシュボーンの独立式、リアが4リンクのリジット。ブレーキは進化し、最上級グレードのロイヤルサルーンは4輪ディスクである(フロントは4ポッドの対向ピストンも奢ったベンチレーテッドディスク)。また上級モデルに採用のパワーステは、速度に応じて適度な操舵感を実現した速度感応型パワーステ。電子制御式スキッドコントロール(ESC)のリファインなども行った。

トヨタの誇りを感じさせたインテリア

 インテリアの豪華さはクラウンの必須項目である。5代目でも同様で、「たいせつな人々を迎えるVIPルームを設計する気持ちで、丹念に仕上げました」という。素材を選び抜いたシート地、快適な空間を作り出す室内高、防音対策などトヨタの高級車への信念を形にした快適さに満ちた空間となっている。
 5代目クラウンは、ロイヤルサルーンという最上級グレード名の登場、スタイリッシュなエクステリアの投入、豪華で快適なインテリアの採用、走りのクオリティアップなど、現代のパーソナル感覚を取り入れたクラウンの礎となった秀作と言える。