サニー・カリフォルニア 【1979,1980,1981】

遊び心満点のスポーツワゴン



米国流カーカルチャーの導入

 サニーは、1977年10月に4代目となるB310型へと移行する。デザイン過剰といわれた3代目とは打って変わり、4代目は原点回帰ともいえる直線基調のスタイリングとシンプルで扱いやすい内装を採用していた。自動車マスコミからは「サニー本来のクリーンな姿」と評され、販売台数も大きく伸びていく。
 これに気をよくした開発陣は、1979年1月に新しいボディバリエーションを加える。「5ドアスポーツセダン」を名乗るサニー・カリフォルニアだ。このモデルはもともとアメリカ市場で先にデビューし、その後で日本にも導入したという経緯を持つ。カリフォルニアというサブネームを付けたのもそのいきさつからだ。さらに、アメリカ文化に対する憧れを持っていた日本人の心を刺激するという意図も含んでいた。

 ところで、なぜ5ドアスポーツセダンと称したのだろうか……。現代の表記でいうとワゴンボディなのだが、当時はワゴンというと商用車のバンのイメージが強かった。乗用車としてリリースしたい開発陣は、だからあえてリアゲート付きのセダンと名乗った。スポーツを加えたことに関しては、こう説明する。

「アメリカのカリフォルニアでは、休日になるとクルマでシティとカントリーを積極的に移動する。それも人だけではなく、荷物をたくさん積み込んで。こういうクルマの使い方こそがスポーツで、サニー・カルフォルニアはそれに最適なクルマである」。こんな理由から、スポーツセダンと称したのだ。

凝った内外装の演出

 新しいジャンルのクルマということで、開発陣は内外装に可能な限りの工夫を凝らした。具体的にはバンとは違う乗用車的なイメージ、そして遊びのアイテムを満載するレジャーカーとしての印象を強めようとしたのである。
 外観は後方にいくに従ってすぼまっていくウインドウグラフィックやメッキタイプのアメリカバンパーなどが目を引き、ボディ色もイメージカラーのイエローを筆頭に明るい色調のものをラインアップしていた。注文装備として設定したウッディサイドパネルも、アメリカナイズされたアイテムとして注目を集める。

 内装は分割可倒機構を備えたリアシート、丸形ファスナー付きのトノカバー、各部に配されたコンソールボックスなどが特徴で、多用途性を大いにアピールする。最新のラジオやデジタル時計、透過照明メーターといった上級乗用車と同様のアイテムを装備していたことも、ユーザーには好評だった。

人気定番モデルに成長

 サニー・カリフォルニアのコンセプトは、徐々にだが市場に浸透していく。とくに釣りやサーフィンなどのアウトドアスポーツを楽しむ、当時の表現でいうと“趣味人”のあいだでは大いに注目を集めた。

 日産の開発陣もこのコンセプトを大事に育てていく。1981年デビューのB11型、1985年デビューのB12型、1990年デビューのB13型でもカリフォルニアは設定され、1996年には独立車種のウィングロードに発展していった。日産自動車におけるワゴンモデル成功の原点という意味で、サニー・カリフォルニアは記念碑といっていいモデルなのである。