館長日記09 SUBARU XVアドバンス 【2021】

ちょっぴり先進。オールラウンドSUVのお手本です!

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名車文化研究所の館長は、もちろん無類のクルマ好き。
得意なのは「ちょっと古いクルマ」だけではありません。最新モデルも興味シンシン。現在でも自動車専門誌「CAR and DRIVER」の編集委員としてバリバリ取材をこなしています。
その日常を「館長日記」としてご紹介します。今日はスバルの最新クロスオーバーです。
名車文化研究所・館長 横田宏近/写真 小久保昭彦
最新モデルはハンサムに変身。エンジンはモーター付き

 XVはインプレッサをベースにしたクロスオーバー。本格SUVの高いドライビングポジションは苦手だが、適度な開放感が欲しい、というユーザーにぴったりの4WDです。オンロードでの操縦性と、オフロードの走破性はSUBARU(以下スバル)ならでは。海外でも高い人気を誇る実力車です。
 最新モデルは、内外装がよりハンサムに洗練されました。メカニズム面ではCVTにアダプティブ変速制御をプラス。足回りの設定がリファインされています。つまりスバルらしく完成度を高める年次改良が加えられているのです。試乗車は最上級グレードのアドバンスです。

 パワートレーンは2ℓの水平対向4気筒(145ps/188Nm)とモーター(13.6ps/10Nm)を組み合わせたマイルドハイブリッド。モーターは13.6psとさほど高出力ではありませんが、なかなかいい仕事をします。

走りインテリジェンス、パワフルで燃費も良好

 ドライビングは、心地よくスムーズ。モーターの適切なアシストを様々なシーンで実感できます。発進はモーターが担当。すぐにエンジンが始動しスピードを高めていきます。その連携は自然でリニア。モーターの効果で力強く、しかも静粛性もハイレベルです。

 高速道路の追い越し加速でもモーターの威力を感じました。アクセルを踏み込んだ瞬間の反応が実にいいのです。これが気持ちいい。絶対的な加速力はスポーティと表現するほどではないのですが、アクセルの踏み込みに即応するレスポンスは頼もしいものがあります。ちなみに80km.h+までの領域であれば、巡航時にエンジンが停止し、燃費を高めるセッティングになっています。走行状況に応じた“賢い制御”を実践しているのです。今回の約300kmの試乗ではトータルで14km/ℓと十分に納得できる燃費データをマークしました(カタログ上のWLTCモード燃費は15.0km/ℓ)。

 新設定のアダプティブ変速制御も力強い印象を後押しします。走行モードとリンクして最適な変速を実現。とくにスポーツモード時の瞬時に力が盛り上がるフィールは心地よいものでした。

信頼できるアイサイト。スマートなSUVの代表選手

 乗り心地は上質です。荒れた市街地の路面でも、ストローク量のある足回りは滑らかな乗り味を示し、速度が上昇するほどフラットに変化します。直進状態からステアリングを切り始めた瞬間の応答性も引き締まっていました。快適でドライバーの意思に忠実なフットワークの持ち主といえるでしょう。旧型はややダンパー減衰力が弱い印象があり、粗い路面で少しバタつく傾向がありましたが、最新モデルはしっかりとしています。ちょっぴり上質になったイメージです。

 スバルのお家芸であるアイサイトの完成度もハイレベルです。高速道路ではアダプティブクルーズコントロールに任せた安心走行が楽しめました。ドライバーのミスを防ぎ、サポートする賢い安全装備は大きな魅力です。ACCは操作が簡単で、館長でも使いこなせます。頼りになります。
 XVは、雪道や悪路の走破性を高めるXモードも標準装備しています。最低地上高は200mm。全長×全幅×全高4465×1800×1550mmの,小さすぎず、大きすぎないサイズと相まって、オールラウンド性は抜群です。日常使いから、本格アウトドア領域まで守備範囲は実にワイド。安全・安心、乗って楽しい、スマートSUVの代表といっていいでしょう。館長がスバルの中で、とくに気に入っているクルマの1台です。