MX-6 【1992,1993,1994,1995】

V6ユニットの走りが魅力の2ドアスペシャルティ



流麗なクーペフォルムが特徴

 1992年1月、マツダはカペラC2の後継モデルとして、MX-6を発売した。カペラC2はカペラをベースにしたミドルクラスのクーペ。MX-6は先にデビューを果たした4ドアセダンのクロノスとシャシーを共用し、4ドアセダンをベースにしたクーペモデルである点では、カペラ&カペラC2の関係と同様である。

 しかし、MX-6はクロノスとフロアやエンジンなどを共用するものの、エクステリアに関してはクロノスと全く異なるイメージに仕上げていた。カペラC2が車名通りカペラのエクステリアのイメージとオーバーラップするのに対して、MX-6では車名にもエクステリアにも、ベースとなるクロノスの雰囲気は感じられなかった。伸びやかで流麗なクーペフォルムには、グリルレスのフロントマスクを採用。薄型の異形ヘッドランプは、のちにデビューを果たすRX-8と共通イメージのデザインである。低いルーフは、前席の頭上を頂点として、キャビンのリアエンドまでなだらかに傾斜していく。ひとクラス上の優雅なエクテリアはMX-6最大の魅力だった。

V6ユニットは最高200psを発揮

 MX-6のエクステリアには、クロノスをベースにした点が奏を功した部分もある。MX-6のホイールベースは2610mmで、クロノスと同値。余裕ある室内空間を目指したロングホイールベースのクロノスのフロアをベースにしたことで、前後に伸びやかで、かつ美しいクーペフォルムが創造できたのだ。
 搭載するエンジンは、V6のみ。当時、マツダはV6ユニットを多く誕生させていて、MX-6には2Lと2.5Lの2つのV6ユニットを用意した。FFモデルに6気筒エンジンを搭載する際、V型エンジンを採用するのはごくありふれたことだが、どちらも優れたパワーフィールの持ち主だった。

 2つのV6ユニットは、ひとつが2496ccV型6気筒DOHC24VのKL-ZE型。最高出力200ps/6500rpm、最大トルク22.8kg-m/5500rpmの余裕あるパワースペックをマークした。もうひとつは、1995ccV型6気筒DOHC24VのKF-ZE型で、最高出力160ps/6500rpm、最大トルク18.3kg-m/5500rpmである。

コーナーが楽しい魅惑のハンドリング

 組み合わせるトランスミッションは、5速MTと電子制御4速AT。駆動方式はFFのみで、4WDモデルの設定はない。サスペンションは前後ともストラット/コイルのオーソドックスなものだが、マツダならではの磨き込まれたヨーロッパテーストの走りを披露する魅力的な足回りに仕上がっていた。また、他メーカーでも多くのモデルに用意していた四輪操舵(4WS)を採用していた。

 インテリアを見ていくと、曲線を多用したインパネは囲まれ感を持たせたデザインで、クーペモデルらしくパーソナルな雰囲気に満ちたもの。フロントシートは、GTタイプシートと銘打ったサイドサポートを強めたデザインで、スポーティーな走りに対応。このシートは大型のたっぷりしたフォルムも特徴である。乗車定員は4名で、リアシートは6対4の分割可倒式。シートバックを倒せばトランクルームと繋がり、長めの荷物を積むことができた。

 MX-6は、少なくとも日本では人気モデルになれなかったが、高い実力の持ち主であることは間違いなかった。玄人好みのクーペである。