館長日記01 マクラーレン720Sスパイダー 【2021】

英国製スーパースポーツは大人の味わい!

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名車文化研究所の館長は、もちろん無類のクルマ好き。
得意なのは「ちょっと古いクルマ」だけではありません。最新モデルも興味シンシン。現在でも自動車専門誌「CAR and DRIVER」の編集委員としてバリバリ取材をこなしています。
その日常を「館長日記」としてご紹介します。

2021年1月6-7日
名車文化研究所館長:横田宏近
2021年の取材始めは、超ド級オープンスポーツ!

 2021年初頭、世間はコロナ禍が収まらず、残念ながら1都3県に緊急事態宣言が発出されることになりました。2021年も大変な1年になりそうです。それはともかく、取材始めは華やかなクルマになりました。英国製スーパースポーツ、マクラーレン720Sスパイダーです。価格はなんと3930万円。取材車はさまざまなオプションが装着されていましたから、多分4200万円ほどになると思います。
 取材の詳細は、1月26日発売の「CAR and DRIVER3月号」をご覧頂きたいのですが、その印象を簡単に紹介しましょう。

トップスピード341km/hをマーク! でも実は運転しやすい

 マクラーレン720Sスパイダーは。ネーミングどおり720psを発揮する4リッター・V8ツインターボを装着したMRスポーツ。50km/h以下なら走行中でも開閉できるトップを備え、最高速度は341km/hをマーク。0→100km/h加速を2.9秒で駆け抜ける世界有数のパフォーマーです。
 でもそのスペックとは裏腹に、通常の運転は実に容易です。なぜなら視界がスーパースポーツとしては非常によく、しかもノーマル状態の走行モードでは、穏やかなパワーフィールの持ち主だからです。
 今回の原稿は、ライターさんにお願いしているため、館長の任務は、マクラーレンのパフォーマンスを引き出す事ではなく、安全確実に取材場所まで広報車を運び、撮影。そして再び安全確実に返却すること。今回は東京都内と横浜を往復しました。
 まずは東京・虎ノ門のオフィス街でマクラーレンを借り受けました。独特のディヘドラルドアは、スーパーカーらしい華やかな印象を与えると同時に、大開口のため乗降性は望外に優れています。
 乗り込むと、そこはシンプルで上質な世界が広がっています。各部は本革張り。フェラーリやランボルギーニのようなエモーショナルな雰囲気は薄く、正直に言えば素っ気ない印象。機能的といえば確かにそうですが、好き嫌いは分かれるかもしれません。
 特徴的なのはワイドな視界。前方も後方も良好そのものです。ボディサイズは全長×全幅×全高4545×1930×1195mmと、とくに全幅は日本ではやや使いにくい設定ですが、車両感覚は非常に掴みやすく,運転しやすいのです。気をつけなければならないのは、路面の段差。車高が低いのでステアリング右側のレバー操作であらかじめフロントの車高を上げておく必要があります。

乗り心地良好。まるで上質なGT!

 一般道から首都高速に乗りました。走行モードはもちろん通常。シフトもオートを選択しています。720psの4リッターユニットは、おとなしく走っていると、実に従順です。通常の流れに乗っている限りエンジン回転は2000rpm以下。スルスルとスピードを上げ、瞬く間に高いギアにシフトアップします。その滑らかなフィーリングはメルセデスやBMWと同等。エンジン音や排気音もジェントル。「もうちょっと刺激が欲しい」と思ってしまったほどです。少し気になったのはブレーキ。さすがに超高速車のため踏力は重め。タウンユースでも意識的にしっかりと踏み込む必要がありました。
 印象的だったのは、滑らかな乗り心地。以前、別のマクラーレンに乗った時も感じたのですが、路面の継ぎ目をしなやかにいなし快適そのもの。確かに硬めではありますが、粗い印象は皆無。これなら長距離クルージングも楽にこなせそうです。
 小一時間ほどで撮影場所に到着。じっくり撮影に取りかかりました。今回はワインディングロードには出掛けていないので,その本領は確認していません。もっとも館長の腕では本領を引き出すことはできないでしょう。GTクルーザーとして高い適性を持ったスーパースポーツだと実感できただけで満足できました。
 こんなクルマをガレージに収める事が出来るミリオネアーが実に羨ましい限りです。