インプレッサXV 【2012,2013,2014,2015,2016,2017】

スタイリッシュな第2世代クロスオーバーSUV

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2代目の商品コンセプトは“Urban Adventure”

 2000年代に入ってからの世界の自動車市場では、都市型志向のクロスオーバーSUV(スポーツユーティリティビークル)が販売台数を大きく伸ばしていた。この状況下で富士重工業は、インプレッサをベースとした新しいSUVモデルのXVを開発。2010年より発売して好評を博した。

 開発現場では、いっそう厳しさを増す環境規制や衝突安全性に対応した第2世代のXVの姿を検討する。多角的な市場調査を踏まえて導き出した次期型の商品コンセプトは“Urban Adventure”。流麗かつ軽やかなプロポーションとSUVらしい力強さを兼ね備えた車両デザインに、スバルが得意とする信頼性の高い走りや最上レベルの安全・環境性能を併せ持った、都会的で冒険心あふれる新世代のクロスオーバーSUVに仕立てる旨を決定した。

“a new type”のキャッチフレーズで市場デビュー

 2代目となるXVはGPの型式をつけ、2012年9月に発表、翌10月より発売される。キャッチフレーズは“a new type”。車種展開は2.0i、2.0i-L、2.0i-Lアイサイトという3グレードで構成した。ちなみに、デビュー当初のプレスリリースなどでは車名の呼称をインプレッサXVとしていたが、カタログなどでは単にXVと表記する。後にプレスリリースでもXVの単独ネームに統一した。

 2代目XVの基本骨格は、スバルの新世代シャシーである“SI-シャシー”をベースに、軽量・高剛性化を図った進化版の新環状力骨構造ボディをセットする。サスペンションはフロントにステアリングの応答性およびコーナリング時の接地性の向上を図ったマクファーソンストラット/コイルを、リアにブッシュの強化やスタビライザーの設定を実施したダブルウィッシュボーン/コイルを採用した。動力源にはロングストローク化や燃焼室のコンパクト化に加え、吸排気効率を高めるデュアルAVCSを内蔵したFB20型1995cc水平対向4気筒DOHC16Vエンジン(150ps/20.0kg・m)を搭載。トランスミッションには縦置きチェーン式無段変速の新リニアトロニック(マニュアルモード付CVT)を組み合わせる。駆動機構には熟成のアクティブトルクスプリットAWD(電子制御AWD)を採用した。また、素早くかつ自然なフィーリングでSTOP&GOを行うアイドリングストップシステムも装備。JC08モード走行燃費は15.8km/lを実現した。安全機構としては、ver.2のEyeSightを設定したことが訴求点。プリクラッシュブレーキ/全車速追従機能付クルーズコントロール/AT誤発進抑制制御/ふらつき&車線逸脱警報などの機能を有した先進の運転支援システムは、新型クロスオーバーSUVに確固たる安心をもたらしていた。

 エクステリアに関しては、流麗かつ軽やかなプロポーションとSUVらしい最低地上高(200mm)やクラッディングによる力強さを兼ね備えた個性的なスタイリングを採用する。また、全高は立体駐車場への入庫が可能な1550mmに抑えた。インテリアは、ソフトな素材や金属調の加飾パネルなどを導入して見た目品質をアップ。さらに、伸びやかで高さを抑えたインパネに低められたドア窓肩部、フロントドアに設けたパーテーションウィンドウ、視界を遮らないAピラーなどによって良好な視界と開放感を実現する。カーゴルームはVDA方式で380lの大容量を確保。フロア下にはサブトランクも用意していた。

ハイブリッドモデルの設定で人気がさらに上昇

 発売から1カ月で月販目標台数の4倍超となる4277台の受注を記録し、好調なスタートを切った2代目XVは、デビュー後も着実に中身の進化と車種展開の強化を図っていく。2013年6月には、スバル初のハイブリッドシステムを採用したXV HYBRIDを市場に送り出す。パワートレインには徹底したフリクション低減などを施した専用セッティングのFB20型エンジンとMA1型モーターを搭載。トランスミッションはリニアトロニックをベースに、プライマリープーリーの後方にハイブリッド駆動用モーターを一体化した専用タイプをセットする。シンプルな構造のフルタイムAWDは、エンジン走行時とハイブリッド走行時はもちろん、低速領域でのEV走行時でも4輪にトルクを伝えることを可能としていた。

2013年10月になると、ガソリン車の一部改良を実施。前後サスペンションのダンパー減衰力の最適化や遮音材の強化、エンジン作動音の低減、電動パワーステアリングのチューニング変更および制振性の向上などを行い、走りの快適性や安心感をいっそう引き上げた。
 2014年11月に行った一部改良では、アイサイトのver.3化や内装の質感向上、パワーユニットのフリクション低減等による燃費性能のアップ、変速特性を最適化するSI-DRIVEの設定、サスペンションセッティングの見直しおよびステアリングギア比の変更による走行性能の向上などを実施する。2015年10月にもマイナーチェンジを敢行。内外装の一部デザイン刷新やアドバンスドセイフティパッケージの展開、足回りのセッティング変更による乗り心地の向上、ドアガラスの板厚アップやボディ各部への吸音材の追加による静粛性の引き上げなどを行った。

 スバルブランドの都会派クロスオーバーSUVとして確固たる地位を築いた2代目XVは、2017年5月に全面改良を実施して3代目のGT型系に移行する。このモデルは、社名をSUBARUに改称してからの初の新型車であった。