VWeGOLF 【2018】

VWも遂にEV、電気で走るゴルフの出来映えは。

会員登録(無料)でより詳しい情報を
ご覧いただけます →コチラ


文:中川和昌
VW初の100%EVモデル。

世界中の自動車メーカーが、世界最大の自動車市場である中国のひと言によって一気にEV化に進んでいる。すでにニュースでは、大きく取り上げられているので、話題にはなっているが、個人的にはちょっといきなりすぎじゃないのかと思う。インフラがそれに対応できるか疑問だし、電池をはじめとしたEV技術もその動きについて行っていないように思う。
 それでも、EV化は進む。VWも9月中旬、2025年に世界販売の4分の1に当たる300万台のEVを販売する計画を発表した。eGOLFは、「ゴルフGTE」「パサートGTE」「パサートヴァリアントGTE」に続き、VGJが導入する4番目の電気系モデルで、初の100%EVモデルである。

見た目は普通のゴルフ。

大きな特徴は、見た目は普通のゴルフであることで、いかにもというわざとらしさがないところがいい。この普通のゴルフのフロア下部に容量35.8kWhの駆動用バッテリーを搭載して、最大航続距離は301km(JC08モード)。さらにバッテリーは普通充電(3kWと6kWに対応)のほか、CHAdeMO規格の急速充電にも対応している。電気モーターは最高出力136ps(100kW)、最大トルク290Nmを発生する。

様々な走行モードが可能。

走り出して、まず感じるのは当たり前だがエンジン音がないこと。モーターのかすかな唸りと、走行ノイズのみで、極めてレスポンシブに走り出す。ただスロットルペダルがいわゆるスイッチではなく、程よく抵抗が与えられ、ガソリン自動車的であるところはうまい。こういう違和感を感じさせない味付けが重要だと思う。
 シフトレバーは調整可能なブレーキエネルギー回生システムを備えていて、Dレンジでは、走行抵抗を減らすコースティング(滑走)モードを優先している。さらに、シフトレバーを左に倒して「D1」「D2」「D3」の順にシフトすると、回生ブレーキが段々強くなり、より積極的に充電する。もちろん、最も回生ブレーキが強く働くBレンジも用意され下りが続くような状況ではチャージできる。また、「ノーマル」「エコ」「エコ+」の3つのモードが選択可能。モーターの出力やエアコンの制御などを変更して、航続距離を調整できる。

無音の走行が新鮮。

エンジン音がしないことを除けば、基本的な乗り味はゴルフであり、しっかりとしたいつもの手応えを与えてくれる。実際の航続距離などは、改めて長期、長距離で計測するとして、全体の印象は悪くない。何よりVWらしさが濃いところもいい。
 ボディーカラーは「ピュアホワイト」のみの設定で、他の電気系モデルと同様ブルーのアクセントやC字型のLEDポジションランプが与えられ、フォルクスワーゲンのEVであることを主張している。