ガイア 【1998,1999,2000,2001,2002,2003,2004】

イプサムから派生した上級ミニバン

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ヒット作、イプザムの弱点を克服

 1996年5月、コロナ プレミオをベースにした画期的なミニバンが登場する。5ナンバーボディーに7名乗り&3列シートを採用した初代イプサムである。先に登場のホンダ オデッセイ(1994年)も乗用車をベースにするが、その3ナンバーボディーは、全幅1770mmであり、5ナンバー枠を70mmも超えていた。初代イプサムの全幅は1695mm。全長も4750mmのオデッセイに比べて220mmも短いものだった。そのコンパクトなボディに7名分の居住空間を用意。5ナンバーボディーの取り回しの良さなどが奏功し、空前のヒットモデルとなった。

 しかし、その一方で、限られたスペースでの3列シート採用は、居住空間に無理が生じていた。そこで、イプサムより全長を90mm、全高を20mm伸ばしたボディを纏って登場したのが、ガイアである。イプサムのデビューから、ちょうど2年後の1998年5月に販売が開始された。

モノグレード、3タイプのパッケージオプションを設定

 ガイアのボディサイズは、全長が4620mm、全幅は1695mm、全高は1640mm。前述のようにイプサムより90mm長く20mm背の高いボディではあるが、全幅は5ナンバー枠を守った。取り回し性の良さは、ガイアの大きなセールスポイントだった。
 ガイアは荷室も広かった。全長の90mmを伸ばした延長分のうち、70mmをラゲッジスペース拡大にあてたのである。これにより、イプサムのコンパクトさと表裏一体の難点であった、3列目までを使用した際のラゲッジスペースの狭さは解消された。そのほか、イプサムとのキャビンの違いで注目すべきは、2列目キャプテンシート仕様の設定だ。上質なムードと快適性に加えて、センターウォークスルーを可能にした使い勝手の良さを備えていた。

 搭載エンジンはイプサムと共通の3S-FE型1998cc直4DOHC16Vユニット(135ps/18.5kg-m)に加えて、2184cc直4ディーゼルターボエンジン(94ps/21.0kg-m)を当初からラインアップした。トランスミッションは全車、電子制御式4速コラムAT。駆動方式はFFと4WDがあり、FFモデルはガソリンとディーゼルの双方をラインアップし、4WDモデルはガソリンのみを設定した。グレード構成はモノグレードとなっていて、Lパッケージ、Gパッケージ、Sパッケージという3タイプのパッケージオプションが選べるようになっていた。ちなみにどの仕様でもセカンドシートがベンチ式の7名乗りと、キャプテンシート仕様の6人乗りの両方を設定していた。

上質なシート地など装備は充実

 ガイアは充実した装備も魅力だった。デュアルエアバッグ、ABS、木目調パネル、格納式センターテーブル、デュアルエアコン、運転席シート上下アジャスターなどを全車に標準で装備。ツインムーンルーフも、Lパッケージ仕様車を除く全車にオプションで用意していた。シートファブリックは、ベース車とSパッケージがモケット地、LパッケージとGパッケージはジャガードモケット地を用いる。全車とも、肌触りの良い快適なシートに仕上がっており、イプサムよりひとクラス上の上質さを訴求するポイントとなっていた。

 ガイアは2004年までの6年間販売された。その後、モデルチェンジを行うことなく、生産を終了する。しかし、狭い道などでも持て余さない5ナンバーボディである点や、イプサムより20mm高くなった全高による開放感あるキャビンなど、多くの魅力を持つからだろうか、ガイアに乗り続けるユーザーが多く存在した。実は隠れた人気モデルだった。