ブルーバード 【1987,1988,1989,1990,1991】

洗練のデザイン、先進メカを搭載した8代目



すっきりとしたデザインが注目された

 1959年8月に登場した初代のブルーバードは、国産小型乗用車の革命と言うべきモデルであった。以後、ブルーバードはライバルであったトヨペット コロナとともに、国産小型乗用車の双璧として、熾烈なシェア争いを演ずることになる。その過熱ぶりは、「BC戦争」という流行語を生むほどだった。BはもちろんブルーバードのイニシャルBであり、CはコロナのイニシャルCである。

 1987年9月に第8世代(U12型)にフルモデルチェンジされたブルーバードは、旧型がきわめてオーソドックスな成り立ちだったのに比べ、日産の先進技術を盛り込んだモデルとなっていた。スタイルはオーソドックスながら洗練されたもので、その頃のライバルであったトヨタ カムリやコロナとは違った雰囲気を持っていた。ボディーバリエーションは4ドアセダンと4ドアハードトップの2種での展開となった。モデルバリエーションはスポーツサスペンションを組み込んだSSS(スーパー スポーツ セダン)系とノーマル系(アーバンサルーンの名が与えられた)の2種があった。

新4WDシステムATTESA搭載

 U12型となって大きな変化は、前2輪駆動モデルに加えて、4輪駆動仕様が初登場したこと。ブルーバードの4輪駆動システムはかなり進歩的なもので、センターデファレンシャルを持った駆動力制御システムであるATTESA(アテーサ)が採用された。4輪駆動モデルにはVCU(ビスカス カプリング)を用いたリアLSD(リミテッド スリップ デファレンシャル)がオプションも設定される。このクラスの乗用車としては、最強の4輪駆動システムであったと言っていい。加えて、STC-Susと呼ばれる後輪のトーコントロールを可能としたサスペンションを組み込んでいる。

 エンジンは5種で、排気量1809㏄直列4気筒DOHC16バルブ+ターボチャージャー(CA18DET型、出力175ps/6400rpm)を筆頭に、同ターボチャージャーなし(CA18DE型、135ps/6400rpm)、同SOHC(CA18i型、88ps/5200rpm)、排気量1598㏄直列4気筒SOHC(CA16S型、79ps/5200rpm)、さらに1952㏄SOHCのディーゼル仕様(LD20Ⅱ型、67ps/4600rpm)があった。この中で、CA18DET型は4輪駆動仕様車専用エンジンとなっていた。トランスミッションは3速、4速のオートマチック、5速マニュアルの3種が設定される。サスペンションは2輪駆動も4輪駆動仕様も前がトランスバースリンク式ストラット/コイルスプリングで、後ろがパラレルリンク式ストラット/コイルスプリングである。ブレーキは全グレードで前はベンチレーテッドディスク。後ろはSOHCモデルがドラムで、DOHCとDOHCターボモデルはリアがディスクとなる。

ラリー用モデルをラインアップ

 8代目ブルーバードには個性的なグレードが設定された。先進のATTESAシステムを備えたSSSを大幅にチューンアップしたラリー用モデルである。SSS-Rがそれで、ボディーの軽量化、ロールバーや一対のドライビングライト、競技用サスペンション、高出力エンジン、5速クロスレシオトランスミッションなどを装備したもの。275万円で販売されていた。地味ではあるが名車のひとつだ。SSS-Rは、かつてサファリをはじめ国際ラリーで活躍したブルーバードを知る世代にとって、憧れの存在だった。

SSS-Rのエンジンは専用ターボシステムの採用により、最高出力185ps/6400rpm、最大トルク25.0kg-m/4400rpmを発揮。エンジンや足回りのチューンのほか、軽量化もメインメニューのひとつで、各部パーツの簡素化を実施。その内容は、トランクトリム、スペアタイヤカバー、テールパイプフィニッシャー、ドアポケット、助手席サンバイザー、リアアシストグリップ、キー照明、シガーライター、集中ドアロック、パワーウィンドウ、4WAS、コーナリングランプなど大規模だった。その結果、高性能補助ランプやロールバー、フードエアインテークなどの追加を行いながら、セダンSSSアテーサLTDに比較して、80kgの軽量化を実施した(車重1190kg)。パワーウエイトレシオは、4WDモデルながら、6.43kg/psをマークした。