パジェロミニ 【1998~2017】

パジェロの魅力を凝縮した2代目軽クロカンSUV



新たな軽自動車規格で魅力アップ

「大は小を兼ねる」という諺の真逆のように、「小は大を兼ねる」とばかりに軽自動車のSUVとして、1994年12月に登場したのが、三菱パジェロミニだ。ネーミングからも分かるように、爆発的な人気を得た兄貴分のパジェロのコンセプトをそのまま、軽自動車のサイズに縮小したもの。柳の下のドジョウの二匹目はメダカだったわけである。

 安価な価格や軽自動車であることによる維持費の安さ、さらに小さいとは言え、パジェロそのままのスタイル、そして本格的なオフロード性能などで、初代パジェロミニはメーカーの予想を超える高い人気を集めた。また、車名を一般公募したことも話題となった。

 1998年10月に施行された新しい軽自動車の規格に応じて、各部を改良した第二世代のパジェロミニが登場したのは、新規格施行時期と同じ1998年10月である。主な改良点は、衝突安全性の向上を果たすため、RISEと呼ばれる三菱独自の衝突安全ボディー構造を採用し、ボディーサイズを拡大して室内スペースの拡大やクラッシャブルゾーンを拡大していること。全長3395㎜(旧型比+100㎜)、全幅1475㎜(+80㎜)、全高1635㎜(+5㎜)、ホイールベース2280㎜(+80㎜)で、エクステリア、インテリアのデザインを一新した。ただしスタイリングイメージは基本的には旧型のままで、4名乗車を可能としたボンネット型の3ドアワゴンとしていた。駆動方式はフロント縦置きエンジンによるパートタイム4輪駆動システムをメインに、価格の安価な後2輪駆動モデルもラインアップされていた。

最強仕様はDOHC20Vターボ

 搭載されるエンジンは2種で、メイン機種となったのは、燃費の良さと排出ガス浄化を狙った、排気量659㏄の直列4気筒SOHC16バルブ(4A30型リーンバーンMVV、出力52ps/6500rpm)。高出力仕様としてツインスクロール型ターボチャージャーを装備した排気量659㏄直列4気筒DOHC20バルブ(4A30型インタークーラーターボ、出力64ps/7000rpm)があった。トランスミッションは4速オートマチックおよび5速マニュアル。2速副変速機(トランスファーギア)は80㎞/h以下なら走行中でも2H(2輪駆動・高速)/4H(4輪駆動・高速)の切り替えが可能なイージーセレクトシステムが搭載されていた(4輪駆動高速/4輪駆動低速への切り替えは停車して行う)。

 サスペンションは前がマクファーソンストラット/コイルスプリング、後ろが5リンク/コイルスプリングとなっており、高速度域での乗り心地の良さと安定したハンドリングを実現していた。ブレーキは前がベンチレーテッドディスク、後ろはドラムだが、サーボ機構を備える。ステアリングはパワーアシスト付きラック&ピニオンである。

14年もの長いモデルライフを築く

 当時の国産軽自動車としては、かなり長いライフスパンを持ったパジェロミニだったが、マイナーチェンジの都度、エンジンの仕様変更やインテリアやエクステリアのデザイン変更などを繰り返し、また、数多くのスペシャルバージョンを設定するなど、たゆみないアップデイトが図られていた。ライバル車種にはスズキ・ジムニーがあったが、パジロミニは乗用車的なソフトなスタイルで人気を集めていた。しかし、三菱自動車の大幅な車種削減の対象となり、2012年6月に生産を停止、在庫販売のみとなった。軽自動車に新しいジャンルを築いた点で、パジェロミニは記憶に残る名車である。