ミラージュ 【1983,1984,1985,1986,1987】

エリマキトカゲCMで話題を博した充実モデル



三菱の主力選手に成長した2代目

 伸びやかなスタイリングと、合理的なFFレイアウトで大きなインパクトを与えたミラージュは、1983年10月に初のモデルチェンジを受け2代目に進化した。2代目はミラージュの個性であるスタイリッシュさに一段と磨きをかけ、さらに三菱の先進技術を惜しみなく投入した意欲作だった。初代ミラージュは従来からのギャランΣ、ランサーとは別の価値観を提唱した “チャレンジャー”だったが、2代目は三菱のクルマ作りを代表する“主力選手”に昇格していた。

 2代目ミラージュは3ドア&5ドアハッチバックと4ドアセダンの3種のボディタイプでバリエーションを構成した。ホイールベースは先代の5ドアハッチバックと共通の2380mmに統一された。広い室内空間と取り回しのよさを吟味しての決定である。ちなみに先代の3ドアのホイールベースは2300mmだったから2代目は80mmも長くなったことになる。

磨きがかかったクリーンなスタイリング

 ミラージュらしさを強調したのはクリーンなスタイリングである。先代も日本車離れした造形で人気を集めたが、2代目のデザインセンスは一段と進化していた。大きなグラスエリアや、安定感を重視した台形キャビンとタイヤをボディの四隅に配置するプロポーションは先代譲り。新型はさらにボディサイドまで回り込んだボンネットのオープニングラインや、リアホイールハウスの形状など細部までデザイナーの存在が意識できた。セダンは時代を先取りするハイデッキ・デザインにまとめていた。

 インテリアも進化していた。室内長1850mm、室内幅1365mm、室内高1135mmの広い居住空間を確保したうえで、心理的にも開放感を実感できる造形にまとめたのだ。具体的にはメーター類やライト&ワイパースイッチなどの情報&コントロール系をドライバー正面に集約。センター部や助手席側をシンプルな造形としていた。さらにサイドウィンドーの上下幅を415mmとたっぷりと取り、ピラーを細く仕上げた310.6度の全周視界も広々とした印象を盛り上げた。上級グレードにはデジタル表示式メーターを採用するなど先進イメージの訴求にもぬかりはなかった。

最強モデルは1.6リッター・ターボ

 メカニズムは“成熟”がキーワードになった。フロントがストラット式、リアがトレーリングアーム式の4輪独立サスペンションは、ばね常数やダンパー減衰力の見直しでフットワークを改善。一部グレードには前後ともスタビライザーを装着することでスポーティな味わいを演出する。エンジンは主力となるNAユニットを、従来の1.2&1.4リッターから1.3&1.5リッターのオリオンIIシリーズに換装。走りを重視したターボモデルは、従来の1.4リッターから1.6リッターのサターンユニットにグレードアップした。経済派のために燃費に優れた1.8リッターのディーゼルを設定したのもニュースだった。

 主力ユニットのスペックは、1.5リッターのNAが87ps/5500rpm、12.5kg・m/3500rpm。1.6リッターターボが120ps/5500rpm、17.5kg・m/3000rpm、1.8リッターディーゼルは65ps/4500rpm、11.5kg・m/2500rpmと、いずれもクラス水準を抜いていた。三菱の高い技術力の発露である。

 2代目ミラージュは、シビックやファミリア、パルサーなどの強力なライバルを相手に善戦し三菱の主力車種として善戦する。海外にも積極的に輸出され国際車としても活躍した。デザインと技術の両面で個性を訴求した1980年代の三菱を代表する1台だった。

リマキトカゲが疾走したCM!不思議な世界観で話題に

 2代目ミラージュのCMはユニークだった。エリマキトカゲが起用されたのである。エリマキトカゲが立って急ぎ足で走る姿と、ゆったりと走るミラージュの対比。そして“道は星の数ほどあります。伸び伸びと好きな道を行きましょう”というナレーションが不思議な世界観を創出した。なによりエリマキトカゲのインパクトは強く、ミラージュのCMは多くの人の注目を集めた。しかし話題になったのはミラージュではなく、エリマキトカゲだった……。

 ミラージュの北米版であるダッジ・コルトのCMも個性的だった。なぜか着物姿の芸者ガールが登場。颯爽と運転席に乗り込むと日本庭園(でも見たところ中国風庭園っぽい)を突っ切りワインディングロードを走り去るのだ。ドライバーをアクティブに変身させる日本製のクルマというイメージのようだが、日本人の目で見るとちょっぴりピントがずれているように感じた。