JAF-2 【1963〜】

“安全”と“安心”に徹底してこだわるJAFのロードサービス

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自動車ユーザーの安全と安心を支えるために−−

 日本の自動車ユーザーのカーライフをサポートする公益団体として1962年に発足し、翌1963年には社団法人化された日本自動車連盟(JAPAN AUTOMOBILE FEDERATION。略称JAF)。基本理念に「自動車ユーザーに対し、安全と安心の支えとなるサービスを提供する」と規定したJAFは、その目的を果たすために広域かつ多様なロードサービスを展開している。

 ロードサービスは基本的に故障や事故などで自走不能になったクルマの救援に関わる業務で、一部離島を除いた全国のどこでも年中無休・24時間体制で自動車ユーザーの依頼に対応する。救援内容としては、エンジントラブルやタイヤパンク、バッテリー上がり、キー閉じ込み、落輪、燃料切れなど多岐に渡る。当初は三・四輪自動車だけのサービス対応だったが、2005年からはモーターサイクルにも拡大展開された。また、地震や台風などの大規模災害時には“JAFロードサービス特別支援隊”を派遣。自治体や警察、現地のJAFロードサービス隊などと連携して車両の救援活動にあたっている。

高速でのロードサービス業務は首都高速1号線から開始

 実質的なロードサービスはJAFの社団法人化後の1963年2月から随時始まり、翌1964年2月には首都高速1号線(日本橋〜鈴ガ森)での活動をスタートさせる。さらに同年6月には阪神高速道路で、11月には東京都内で夜間ロードサービスを開始した。その後もサービス提供地域の拡大は順調に続き、東名高速道路や中央自動車道、九州自動車道、東北自動車道などにまで広がる。そして1984年12月には、函館支部統一ロードサービスを開始。これにより、全国ロードサービスネットが完成した。一方、JAFは大規模イベントに合わせたロードサービスも積極的に行っている。1970年3月には大阪万博会場周辺で、1981年3月には神戸博ポートピア'81で、1985年3月には科学万博つくば'85で、期間中の特別ロードサービスを実施した。

 2000年代に入るとコンピューターを駆使したロードサービス受付指令システムの導入が始まり、全国各地に通信システム網が敷かれていく。ロードサービスカーの配車に関しても、総合的な管理で的確に行われるようになった。また、2005年には“生活安全パトロール”の覚書等の締結が全都道府県で完了。全国各地に支部や基地をもつJAFの特性を活かし、防犯などのためにロードサービスカーでパトロール巡回する体制が正式に整えられた。

ロードサービスカーの進化と種類

 ロードサービスを担うクルマは5種類。現在は、レッカータイプ/バンタイプ/車積載タイプ/軽自動車タイプ/二輪タイプがロードサービスの現場で活躍している。

 レッカータイプはロードサービスカー全体の約6割を占める主力車両だ。落輪および転落といった事故車等の引き上げ作業や故障車の移動などで幅広く活用する。ベース車両はいすゞ・エルフや日野デュトロ、トヨタ・ダイナ、日産アトラスなどの小型トラックが中心で、荷台部に最新のレッカー装置が組み込まれる。搭載装備には救急セットやゴージャッキ(タイヤが動かないクルマを簡易移動させるジャッキ)、パワーレンチ、ポータブル電源、バッテリーコード、消火器、落輪脱出用アルミブリッジ、カラーコーン、矢印板、三角表示板、ガレージジャッキ、ガソリン缶、大型シャベル&ハンマー、パンク修理セット、スタック脱出グッズ、油圧式パンタジャッキ、エアホースリール、などの豊富なアイテムを揃えている。

 JAFのレッカータイプが登場したのは1964年で、この時は国産門型吊り上げ式レッカー装置を装備。滑車を利用して人力でクルマを吊り上げる仕組みだった。1967年になると、人力に代わってバッテリー電動式のレッカー装置を導入。1974年にはアメリカ製440型レッカー装置が採用され、それまで固定式だったブーム部が可動式となる。さらに、1977年にはレッカー装置の動力が油圧式へと進化。1979年になるとタイヤ吊り装置が導入された。その後もレッカー装置の刷新は続き、1987年にはタイヤ吊り機構が半自動化されたアメリカ製1001/DFT200型を、1994年にはブーム部とホイールリフト部が一体となったアメリカ製211型を、1997年にはブームの伸縮機構を加えたアメリカ製411および412/F1型を採用している。

年間サービス件数は260万件! ユーザーの強い味方

 バンタイプについては、国産のワゴンやSUV、1BOXなどをベースに路上故障応急器材一式を搭載する。活躍の場は、比較的軽微な故障救援やレッカー車が入れない狭い道路などだ。車積載タイプは中型トラックなどをベースにローダー機構を組み込んだモデルで、自走不能なクルマや牽引が難しい4WD車の運搬で力を発揮する。軽自動車タイプは道路狭隘地区での故障救援における機動力の高さが真骨頂。二輪タイプは交通渋滞の影響を受けにくく、迅速に現場に駆けつけることができるのが特徴だ。
 JAFの統計では、ロードサービスの出勤は年間で約260万件(2012年度)、割合にすると12.5秒に1件に達するという。八面六臂の活躍は、まさに自動車ユーザーの“縁の下の力持ち”といえるだろう。