レディゴ(コンセプトカー) 【2003】

新たなクルマの愉しさを提唱したオープンコンセプト

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斬新なスライドルーフが生むオープンの新世界

 レディゴは、新しいクルマの愉しさを提案する新感覚4シーターオープンである。ルノー・アヴァンタイムのようにミニバン風のパッケージングを活用した2ドアのパーソナルカーだ。ゴムボートが宙を浮いたようなボディの四隅を丸めたフォルム、精悍な印象を印象づける縦長LEDランプなど見た瞬間から遊びゴコロをくすぐられる奔放なエクステリアの持ち主だった。

 レディゴの個性は風や自然を身近に感じられる新オープンルーフに表現されていた。「センタースロットインルーフ」とネーミングされたルーフは中央に逞しい骨格があり、左右のガラスルーフがそこにスライドして格納される構造になっていた。左右のサイドウィンドーとガラスルーフを開放すると、フルオープンに匹敵する圧倒的なオープンエア体験が味わえた。しかも全高が1660mmと通常のオープンカーよりも高い設定だったため超ワイドな視界が楽しめるのもポイントだった。タウンユースではもちろん、海辺や高原など、どんな場所でもとびきりの爽快さが満喫できたのだ。さらにガラスルーフには、反射光・透過光をコントロールする独特のパターンを持ったフィルムをラミネート加工していたためクローズド時の快適性もハイレベルだった。クローズド状態では小粋なクーペとして日常使用できたのである。

外から情報を持ち込めるナビシステムを採用

 新しいアイデアを満載したインテリアもレディゴの楽しさだった。前席の正面には運転席側と助手席側で同じ形の表示部を持つユニークなツインクラスターを採用。運転席側のディスプレーには運転情報を、助手席側にはナビとエンターテインメント情報を表示した。助手席側ディスプレーは可動式でクラスターを右上に90度回転させることが可能。こうすると「e-MEMO」のストレージが現れた。e-MEMOとは表示機能付きメモリーチップの名称でこれをスロットに差し込と取りこんだ映像やナビ情報などをモニターに映し出すことが出来た。最新のナビシステムがようやく実用化された機能をすでに2003年の時点で実用化していたわけだ。

メカニズムはマーチがベース!?

 レディゴのドア、シート、フロアには防水素材が採用され、アクティブなアウトドアシーンに対応していた。さらにドアトリムやヘッドレストにあしらったウレタンのソフト素材もスタイリッシュだった。オーディオも凝っていた。レディゴは4名のパセンジャー全員がハイクオリティなサウンドを楽しめるサウンドシステムを備えていた。Aピラーと前席ヘッドレスト背面に指向性の強い中/高音のフラットパネルスピーカーを内蔵し、センターコンソールにはサブウーハーを配置。さらに後席用のヘッドレストスピーカーにはディレイ処理が施され、中/高音と低音が同時にバランスよく聞こえるようにアレンジされていた。オープンエアとグッドサウンドの2枚看板を得たレディゴは乗る人誰もを笑顔にさせた。楽しさ溢れる最強のパーソナルカーだったのだ。

 全長3830×全幅1695×全高1660mmのコンパクトなボディサイズと、1.4リッターの新開発エンジン、そしてe-4WD機構の組み合わせは、レディゴがマーチ系のメカニカルユニットをベースに開発したことを示していた。意外に身近な存在だったのである。しかしレディゴが提示した世界は実に魅力的だった。次世代パーソナルカーとしてレディゴは王道を行く作品なのかもしれない。