ラガー 【1984,1985,1986,1987,1988,1989,1990,1991,1992,1993,1994,1995,1996,1997】

タフな走破性を楽しむ多用途4WD

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タフトの後継モデルとして登場

 1000ccクラス初の本格的オフロード向き4WDとして1974年にデビューしたダイハツ・タフトが、フルチェンジされて新型となったのが1984年4月に登場した「ダイハツ・ラガー」だ。「ダイハツ・ラガー」は、いわばこのクラスの本格的SUV(Sport Utility Vehicle)のパイオニアと言えるモデルで、先代のタフトが持つオフロード性能と乗用車的な居住性を巧みに両立させ、市街地から大自然の中まで、特別な運転技術を必要とせず、そこそこに走れると言う性格を持つものとなっている。同じ時期にデビューしたトヨタのブリザードとは主要なシャシーコンポーネンツを共用する兄弟車だが、デビューは「ラガー」の方が早かった。

3タイプのボディースタイル

 車種構成は、Jeepのようなスタイルを残したソフトトップと居住性を重視したスチール製ハードトップ、ホイールベースを延長してレジン製のハードトップを装備するレジントップの3種があった。レジントップは、前席ルーフよりも更に一段高くなったハイルーフの形を採り、居住空間とラゲッジスペースを大きくしている。後席は前方に折り畳むことが可能で、ラゲッジスペースを飛躍的に拡大することができた。レジントップには、脱着可能な大型サンルーフや、4ナンバーで初となるフルフラットシートを標準で装備していた。登録はワゴンではなく商業車扱いだった。

 搭載されるエンジンは直列4気筒ディーゼルエンジンで、排気量は2765cc、最高出力は79ps/3600rpm、最大トルクは18.0kg-m/2200rpmとなっている、これは三菱Jeepのユニットに近い。ホイールベースは2205mm、最小回転半径は5.1mで意外と小回りが利く(ハードトップおよびソフトトップ)。トランスミッションはソフトトップ仕様が4速型、レジントップ仕様は高速走行を想定してオーバートップ付き5速型となる。駆動方式はラガーと同じ2速トランスファーギアを持ったパートタイム4WDだ。

乗用車ライクな快適性も魅力

「ラガー」は、いわば「ミニ・ランドクルーザー」としての性格を鮮明にしたモデルだった。とくにレジントップの内装や装備は、ある種の小型乗用車よりも豪華かつ充実したものとなっている。高速走行時でも、トップのドラミング(共振により増幅される振動)も少なく、居住性は乗用車とほとんど変わらない。タイヤも市街地走行重視のものだが、オフロード性能も4WDとして必要十分以上のものを備えていた。価格は140〜190万円台と決して安価ではなかったが、当時でも高い人気を集め、「ロッキー」の名で生産台数の大方は輸出されていた。