2011東京モーターショー/ダイハツ 【2011】

“BIG ANSWER FROM SMALL”をテーマに披露

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軽スポーツカーの新しいカタチを提案した「D-X」

 2011年12月に催された第42回東京モーターショーにおいて、ダイハツ工業は“BIG ANSWER FROM SMALL~環境を、暮らしを、未来を、スモールカーが大きく変える”をテーマに掲げ、“みんなの手に届く”スモールカーで出来る技術革新のロードマップを、各出展物で表現した。

 ワールドプレミアを果たした参考出品車は3モデル。ブースの中央に据えられたのは、新世代の軽スポーツカーを謳う「D-X(ディークロス)」だ。オンリーワンの存在感を放つ新感覚のスポーツモデルの提案形として開発されたD-Xは、全長3395×全幅1475×全高1275mm/ホイールベース2230mmという軽自動車規格のボディサイズに、タフでアグレッシブなスタイリングを採用。ボディ外板は載せ替え可能な樹脂材で仕立て、リアにロールバーを設定したスポーティなオープンスポーツを基本に、樹脂製ルーフを備えたクーペタイプのバギー風、リア後端にまでルーフを伸ばしたワゴン風、ダブルバブル付きのリアカウルを備えたレースカー風など様々なバリエーションを選択できるようにアレンジした。2シーター構成のインテリアは、ボディ同色のインパネや十字にデザインしたシルバー色のセンター部、バケットタイプのシートなどによってスパルタンな雰囲気を演出する。フロントセクションに積み込むエンジンは新型の660cc直列2気筒直噴DOHCインタークーラーターボで、64ps/6000rpmの最高出力と11.2kg・m/2000rpmの最大トルクを発生。駆動レイアウトはFFで、シューズには165/50R17サイズのタイヤと専用デザインのアルミホイールを装着していた。

 デザインスタディとして出展されたD-Xは、その後開発現場で多角的な改良を実施。そして、2014年6月発売の2代目コペンへとつなげていった。

新しいカテゴリーの2シーターEVコミューター「PICO」

 ダイハツ工業は次世代のモビリティとして、軽自動車と原動機付自転車の間に位置する2シーターEVコミューターの「PICO(ピコ)」を披露する。地方の足、高齢者や子供の送迎、宅配ビジネスなど、新たな社会のニーズに対応した、小さなクルマの魅力を提案する電気自動車のPICOは、全長2400×全幅1000×全高1530㎜のコンパクトなボディに、床下配置のバッテリーとリア駆動のモーターおよび減速機をセット。開口部が大きく、かつ低くてフラットなフロアに、前後2名乗りのパッケージングを採用して使いやすさを向上させた。走行面では先進のレーダーを組み込み、危険を察知した際の緊急自動停止や近づきすぎの後方車へのメッセージ表示、前方に障害物がある際の急発進の防止、人と行き交う場面を想定した速度制限およびグリーンの光による存在アピールなどの機能によって安全性を最大限に高める。また、富士通テンとの共同開発によるインターネットを介したPICO同士のコミュニケーション機能を設定した。

 外装については、前後2名乗りボディのほか、1名乗りのトラックやカーゴといった商用タイプを展開。インテリアは大型タッチモニターを備えたインパネや広い視界などが訴求点だった。

小型液体燃料電池を積んだ次世代ビークルの「FC商CASE」

 ダイハツ工業は直噴ガソリンエンジン車と電気自動車に加え、新世代の燃料電池車(FCV)も公開する。オリジナル技術の貴金属フリー液体燃料電池を搭載し、新液体燃料の水加ヒドラジン(N2H4・H2O)をエネルギーとする次世代FCVの「FC商CASE(FCショーケース)」だ。燃料電池スタックには固体高分子型PMfLFC(35kW)を採用。2次バッテリーにはリチウムイオン電池をセットする。燃料電池自体はユニットのコンパクト化とともに、貴金属を使わないことによって資源消費の抑制および低コスト化を実現。また、小型化したユニットはフロア下にすっきりと収まり、パッケージングの自由度を拡大させた。

 新設計のプラットフォームと組み合わせるボディは、フラットフロアで多用途性のあるスクエア基調の車両デザインで構成。左ドアには大開口部を確保した上下ヒンジタイプを導入する。ボディサイズは全長3395×全幅1475×全高1900mm/ホイールベース2450mmと軽自動車の規格内に収めた。4シーターレイアウトのキャビンルームは、フラット形状のインパネに格納が可能なステアリングとシートを配し、ユーザーの使用パターンに即した自由空間を創出。フロントシート後方の右リアパネルには、大型ディスプレイが装備できるスペースを有していた。

 ダイハツ・ブースでは3台の参考出品車のほかにも、 “第3のエコカー”ことミラe:S(イース)や3ステージに区分したe:Sテクノロジーの技術展示などを披露。次世代のスモールカーのカタチ、そして技術革新を、来場者にわかりやすくアピールしていた。