スプリンター 【1970,1971,1972,1973,1974】

独立車種に進化したスタイリッシュカー



“韋駄天”の名を持つフレッシュモデル

 1970年月、カローラ・シリーズのクーペモデルだったスプリンターは、母体となるカローラ・シリーズのフルモデルチェンジに伴ってKE25のコードネームを持つ第二世代へと進化する。車名もカローラの名が外され、単にトヨタ・スプリンターとなった。独立モデルとしてのスタートだ。そのころではすでに、スプリンター(Sprinter=韋駄天)のイメージは確立され、ファミリーカーであるカローラとは別個のモデルとして捉えられていたための処置だった。同時にカローラ・シリーズ拡大の布石でもあった。

専用2分割マスクが個性を主張

 新型スプリンターは、ベーシックなスプリンター・デラックス、スポーティモデルのスプリンターSLの2グレードから成り、基本的なボディシェルこそカローラ・クーペと共通しているものの、各部はスプリンターの個性が際立つよう変更されており、「並みの」カローラとは異なる存在感を醸し出している。スタイリングでは、フロントグリルが円形2灯式のヘッドライトを持つブラックアウトされた二分割型となり、フェンダーミラーの形状も砲弾型(SLのみ)を採用、ホイールキャップもスポーティーさを盛り込んだオリジナルデザインとされるなど、スプリンター独自のものが採用されていた。基本的な走行にはほとんど関係のない部分のこれだけの変更で、スプリンターのスポーティーな感覚はかなり高められることになった。

コンソールボックス全車標準装備

 インテリアでも同様で、内装は黒色を基調としたスポーティーなものとされ、シートはヘッドレストを一体化したバケットタイプに、フロアシフトのシフトレバーの周囲には小物入れを持つセンターコンソールが設けられている。旧モデルで不評だった長いシフトレバーは、リンクを介した短いものに変えられ、シフトフィールを良くしていた。インスツルメンツは、基本的にカローラ・クーペに準じたもので、速度計とエンジン回転計など計器類が円形メーターとされ、スポーティーな雰囲気を高めている(ファミリー向けのスプリンター・デラックスは長方形のメーターが付く)。リアシートは左右外側に小さなアームレストと2本分のボトル・スペースが新設されている。

SLはツインキャブのパワフル仕様

 駆動方式はフロント・エンジン、リア・ドライブとオーソドックスなもので、エンジンなどの駆動系は旧型であるKE20系からのキャリーオーバーとなっている。エンジンは排気量1166ccの直列4気筒OHVで、スプリンター・デラックスには出力73ps/6600rpm仕様が、スプリンターSLにはツインキャブレターの77ps/6600rpm仕様がそれぞれ搭載される。シャシー関係で先代モデルと最も大きく変わったのはフロント・サスペンションで、従来の横置きリーフを持ったものから、コイル・スプリングを用いたマクファーソン・ストラットとなった。後輪はリーフ・スプリングを用いたリジッド・アクスルである。
 スプリンター・シリーズは、この後も順当な発展を続け、1970年10月に新開発の1407ccユニット搭載シリーズが登場。翌1971年8月には4ドアセダンが登場した。さらに1972年3月にはセリカにも使われていた2T-G型1588ccのDOHCエンジンを搭載した究極的とも言えるスプリンター・トレノ(カローラ・シリーズではレビン)がデビュー、国産小型スポーティーカーの頂点に君臨する。