デュエット 【1998,1999,2000,2001,2002,2003,2004】

ダイハツが供給した小粋なトヨタの末っ子

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ABS標準装備がデュエットのアピール点!

 1998年9月にトヨタの末っ子として誕生したデュエットは、ダイハツ・ストーリアのトヨタ版だった。スタイリングとメカニズムはストーリアと基本的に共通で、相違点は車名とエンブレムのみ。ただしデュエットはストーリアではオプションのABSを全車に標準装備していた。デュエットはストーリアよりちょっぴり安全性に気を配っていたのだ。

 デュエット誕生の背景には、コンパクトカー需要、なかでもリッターカー人気の高まりがあった。それまでのトヨタのエントリーカーだったスターレットの排気量は1.3リッター。スターレットのボディサイズはコンパクトで経済性にも優れていたが、軽自動車からの乗り換え、さらには軽自動車とコンパクトカーのどちらにしようかと悩むユーザーにとっては、いささか立派すぎる排気量だった。ユーザーは手頃なリッターカークラスのコンパクトカーを求めていた。

 事実、1.0リッターと1.3リッターの両方をラインアップしていた日産マーチの主力は1.0リッター、デュエットのベースモデルであるストーリアも主力は排気量989ccの1.0リッター車だった。トヨタはユーザーのリッターカークラスへのニーズに応えるためデュエットを導入したのだ。販売はカローラ店系列のディーラーが担当した。

ストーリアの高い完成度を継承した逸材

 トヨタがデュエットの導入に踏み切ったのは、ストーリアの完成度が高かったことも一因だった。前述のようにデュエットはトヨタとしては末っ子だが、ダイハツにとっては上級モデル。それだけにコンパクトカーとしては異例なほど入念に作り込まれたクルマだった。

 個性たっぷりのラウンディッシュなフォルム、メッキパーツを上手にあしらった上質感、大型サイズの前後シート、入念な静粛設計、室内各部に配置した小物収納スペースなど、どこを取っても設計者の工夫が施されたクルマだった。コンパクトカーの魅力である経済性も秀逸で、デュエットも採用した989ccのEJ-DE型・直列3気筒DOHC12V(60ps/9.6kg・m)の10・15モード燃費はクラストップ級の20km/L(X・5MT)をマークした。

 1シリンダー当たりの排気量が大きい3気筒のメリットでトルクが太く、走りも活発だった。日常の足に便利なだけでなく、長距離ドライブを楽々とこなしファーストカーとしても満足できる逸材だったのである。デュエットは、このストーリアの美点を当然ながらそのまま継承していた。

万が一のときもパッセンジャーを守る高い安全性

 バリエーション展開は充実装備のVとラグジュアリー仕様のXのシンプルな2グレード構成で、駆動方式はFFと4WDから選べた。エンジンは全車が排気量989ccのEJ-DE型を積み、トランスミッションは5速MTと4速ATである。

 キャミはコンパクトサイズながら国内だけでなく国際基準に対応した衝撃吸収ボディをはじめ、ABS、デュアルSRSエアバッグなど万が一のときにパセンジャーを守る高い安全性を身に付けていた。さらにアクシデントに見舞われた際に二次災害を軽減するために、システムが衝撃を感知するとドアロック解除、ハザードランプ点滅、ルームランプ点灯、さらに燃料供給の遮断を自動で行う衝撃感知安全システムを採用。万全の安全体制を構築する。

ビギナーからベテランまで幅広く愛されたトヨタの末っ子

 デュエットの魅力は、ストーリア同様の入念な作り込みと、コンパクトカーらしい優れた取り回し性にあった。ボディのスリーサイズは全長3660mm×全幅1600mm×全高1450mmと小さく、最小回転半径は僅か4.3m。狭い道や駐車場でも楽々と切り抜けられる大きさだった。しかも前席の着座ポイントを555mmと高めに設定した利点で視界もワイドだった。乗った瞬間からボディの四隅に神経が行き渡るクルマ、それがデュエットだったのだ。

 デュエットはビギナーからベテランまで、とくに女性ユーザーに愛された。2004年にダイハツ・ブーンのトヨタ版であるパッソに後を引き継ぐまで、トヨタの末っ子の位置をしっかりと守ったしっかり者である。