カローラ・レビン 【1991,1992,1993,1994,1995】

ツインカム20Vと優れた足回りを持った1.6Lスポーツ

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新エンジンは20V化で出力が20psアップ

 日本を代表するカローラのクーペモデルとして、絶大な人気を誇ったレビン。1972年3月に誕生したTE27型から始まり、6代目は1991年に登場。歴代モデルはどれも、高い性能とスポーティーなスタイリング、優れたインテリアを持ち、絶えず人気モデルであり続けた。この事実は特筆に値する。

 6代目のレビン(AE101型)は、従来同様、兄弟車のトレノと同時にフルモデルチェンジを受けた。トレノがリトラクタブルライトを取りやめたとのと同じく、レビンもフロントマスクに大きな変革を起こした。初代のTE27型など初期のモデルを除いて、角目ヘッドライトの顔立ちを踏襲してきた歴代レビンだが、この6代目では異形ヘッドライトを採用。力感あふれるグラマラスなボディとともに、言わば筋肉質のエクステリアを強調するデザインとなった。
 進化は搭載する4A-GE型ユニットにももたらされた。1983年5月に誕生のAE86型と、1987年5月にデビューのAE92型に搭載した4A-GE型が、大きくポテンシャルアップしたのだ。

 6代目は、4A-GE型エンジンそのものを大きく設計変更。新たに開発されたエンジンは、1気筒あたり5バルブ化を図った。直列4気筒DOHC20Vとなって誕生した“新4A-GE型”は、従来のDOHC16Vの4A-G型をベースに3つの吸気バルブを採用。吸気3、排気2の5バルブ構成で、吸気の3バルブ化は有効開口面積を拡大し、吸入空気量を増大させた。また新搭載のVVT(可変バルブタイミング)システムが吸気のバルブタイミングを制御。ポテンシャルは飛躍的に向上し、最高出力は160ps/7400rpm、最大トルクは16.5kg-m/5200rpmをマーク。ハイオク仕様となり20psパワーを引き上げたAE92の後期モデルと比較しても、20ps/1.5kg-mのパワーアップだ。

ハンドリングを高めるSSサス登場

 16Vレイアウト(1気筒あたり4バルブ)を踏襲したDOHCスーパーチャージャーユニットの4A-GZE型(170ps/21.0kg-m)や、1600ハイメカツインカム4A-FE型(115ps/15.0kg-m)、1500ハイメカツインカム5A-FE型(105ps/13.8kg-m)の計4つのパワーユニットも細かなリファインが実施されていた。

 足回りでは、前輪にスーパーストラット(SS)式サスペンションを投入した。アッパーボールジョイントとロアダブルジョイント機構の採用で駆動力のステアリングへの影響を減少させ、高速直進性がアップ。キャンバーコントロールアームの採用で旋回性能も引き上げた。このSSサスペンションは、スーパーチャージャーモデルのGT-Zに標準装備し、20Vエンジンを積むGTアペックスに装着車を設定した。

スポーティーで高品質なインテリア

 適度にタイトな2+2空間となったキャビンは、乗車定員を4名に設定。ドライバー方向に向けたセンター部分などインパネも囲まれ感とスポーティーなムードにあふれる。とくに注目を集めたのは、質感のアップ。5代目のAE92型でも質感の向上は話題となったが、新型のAE101型ではいちだんとクオリティを高め、クラスを超えた上級感を手に入れた。トランスミッションはGT-Zが5速MTのみ。他グレードは4速ATも用意し、1.6リッターモデルは電子制御のECT-Sを搭載した。

 新たなメカニズムの導入や上級感あふれる内外観など、魅力を大幅に引き上げた6代目レビン。走りのモデルとしての存在感とトヨタの作り込みの良さを再認識させる秀逸な1台となった。