プレセア 【1995,1996,1997,1998,1999,2000】

エレガントな2代目4ドア・ハードトップ

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カリーナEDのライバルとして企画

 日産のミドルクラスの4ドア・ハードトップとして、1990年6月にデビューしたモデルが初代プレセアである。同時期に生産を中止したサニーをベースとしたバッジエンジニアリングで生まれたローレル・スピリットの事実上の後継モデルだった。

 プレセアは「スポーティー&エレガンス、そして高品質感を併せ持ったパーソナルセダン」という、かなり欲張った開発コンセプトの持ち主。直接的なライバルはトヨタのカリーナEDをはじめ、ホンダのインスパイア、マツダではペルソナなどだった。
 プレセア(Presea)の車名は「宝石」とか「大事なもの」を意味するスペイン語であり、グレード名には宝石のサイズを示す単位であるキャラット(Ct.)を使っていた。

サイズ拡大で上級化を実現した2代目

 第2世代のプレセアは1995年1月にデビューする。2代目も初代同様にメカニズム面ではサニーがベースになっており、具体的にはB14型サニーのリファイン版だった。初代プレセアが、スタイルを重視する余りに後席のスペースを犠牲にしていたきらいがあったが、2世代目ではホイールベースを80mm、全長を60mm各々延長し、後席を中心に室内スペースを拡げていた。

 フロント部分には小さいラジエターグリルを配置し、ヘッドライト形状も変更している。初代のグリルレスのデザインが、クルマらしくないと不評だったことに対応したのだ。リア周りのデザインも一新されてた。

全車DOHC16Vエンジン搭載

 3種のエンジンは全て直列4気筒DOHC16バルブで、排気量は1497cc(GA15DE型・105ps/6000rpm)、1838cc(SR18DE型・125ps/6000rpm)、1998cc(SR20DE型・145ps/6400rpm)である。トランスミッションはフロアシフトの5速マニュアルと4速オートマチック、

 サスペンションは前がストラット/コイルスプリング、後がマルチリンクビーム/コイルスプリングとなった。後輪懸架がサニー系と同じく、4輪駆動システムも装備可能な形式となったが、プレセアには4輪駆動仕様の設定は無く、全車がFF形式の2WDを採用していた。

ひとクラス上の上質が味わえた室内空間

 インテリアも基本的にはサニー系のそれを踏襲する。とはいえシート地や内装、メーター類など使われている素材や装備はひとクラス上のものとなり、高級感を増している。
 安全装備もより充実したものとなり、SRSエアバッグは最初は運転席のみ標準装備とされたが、1996年5月以降は助手席側も標準となった。さらに、ABS、ブレーキアシストなどを標準化している。

 ベーシックモデルであるサニーをベースとした高級仕様として、プレセアは極めて真っ当なモデルであった。しかしスタイル重視で室内が狭いなどのマイナス評価は最後まで付きまとった。また、パーソナルセダンのマーケットがワゴンやミニバンの人気に圧されて縮小傾向になっていたことから、後継モデルを造らないまま2000年8月を以て生産を中止した。