ホンダデザイン13 【1999,2000,2001】

21世紀に向け多様なカテゴリーで先進パッケージを追求

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独創のキャビンフォルムを採用した上級車の登場

 1990年代終盤から2000年代初頭にかけての本田技研工業は、M・M(マン・マキシマム、メカ・ミニマム)思想を発展させた新しいパッケージングを多様なカテゴリーで採用し、21世紀に向けたニューモデルとして市場に送り出した。

 1999年9月には、新発想の上級モデルとなるアヴァンシアを発売する。車両デザインはアーチキャビンフォルムと称するやや背の高いワゴンスタイルで構成。なだらかに傾斜するルーフラインとトップライトを設けたウイングハッチで、独創的な“4ドアクラブデッキ”を具現化した。室内は、リムジンインテリア思想を基に構築する。フラットフロア&センターウォークスルーをベースに、スライド&リクライニング機構付リアシートによって快適かつゆとりある室内空間を実現していた。

低重心&ワイドスタンスで仕立てた2代目上級ミニバン

 1999年12月には、人気ミニバンのオデッセイが2代目に切り替わる。プロポーションは初代の低重心&ワイドスタンスフォルムを継承。各部の造形に工夫を凝らし、フォーマルな端正さを持つエクステリアを構築した。

 インテリアは、3列それぞれで快適性を追求した上質な室内空間を創出する。1列目はプレミアムコクピットと称し、ホールド性に優れた新設計シートや操作性に優れるインパネシフトなどを採用。2列目はファーストクラスを謳い、ロングスライド機構を組み込んだシートやビルトインタイプのエアコンなどをセットする。ラウンジを名乗る3列目は、シートピロー一体型の床下収納シートやスペアタイヤの床下収納などによって使い勝手を着実に向上させていた。

“スマートコンパクト”を開発コンセプトに据えた7代目シビック

 2000年9月には、7代目となるシビックとシビック フェリオが市場デビューを果たす。デザイン上の訴求点はショートノーズとビッグキャビンで構成した高効率パッケージング。パワーユニットの大幅な省スペース化やシャシー部品の床下後方および集中配置、フロア面のフルフラット化などにより、新たな車両レイアウトを実現した。スタイリングは、シビックがスマートで斬新なワンモーションフォルム、シビック フェリオがセダンらしさとスポーティさを両立した造形で仕立てる。両車に共通させたのはソリッドかつ躍動感あふれるイメージで、これにより新鮮味や走りのよさを表現する。

 内装は、シビックがクラス最大級のキャビンスペースと左右・前後席のウォークスルーを実現したうえで、低反発ウレタンの採用とサイズの拡大を行ったシートや凹凸が少ないフラッシュサーフェスインテリアを採用。快適かつ上質な居住空間を演出する。運転席まわりには操作性や視認性にこだわったゲート式インパネシフトやフットパーキングブレーキ、大型3眼メーター、ダイヤル調整式空調スイッチなどを装備。収納ポケットも豊富に設定していた。

ロング&ルーミーキャビンフォルムで構成した2代目ミニバン

 2001年4月には、5ナンバーミニバンのステップワゴンが2代目に移行する。基本スタイルはショートノーズでスタイリッシュなロング&ワイドキャビンフォルムをベースに、大きなキャビンが楽しさや機能性を感じさせる独自のデザインで構成。各部のアレンジにも注力し、フロント部は横長グリルや二段構造のバンパー、垂直方向に立たせたサイドウィンドウなどでワイド感のあるボクシースタイルを、リア部はルーフから大きく回り込ませたテールゲートガラスや縦長のコンビネーションランプなどで開放的かつ先進的なイメージを創出した。

 内装については従来比でスペースを拡大するとともに、1列目から3列目までのシートに様々な機構を持たせることで4つの空間モードを演出する。具体的には、2列目と3列目を対座させる“対座モード”、2列目を折りたたんでテーブルにし、1列目と3列目を対座させる“レストランモード”、1列目から3列目までをすべてフラットにする“3列フルフラットモード”、2列目をチップアップし、3列目を左右にはね上げて収納する“カーゴモード”を実現していた。