日本の道/新東名高速道路 【2012〜】

渋滞緩和と走りやすさに配慮した日本の新たな大動脈



1987年建設スタートの新東名の開通

 2012年4月14日、新東名高速道路が開通した。まず静岡県の御殿場〜三ヶ日間(約162km)の営業がスタートし、将来的には神奈川県の厚木ICと愛知県・豊田ICを結ぶ予定だ。
 東京と愛知県・小牧を結ぶ東名高速道路の開通は1969年。東名高速道路は、日本の物流を支える大動脈である。太平洋に沿う海よりのルートを取り、小牧JCTで名神高速道路(小牧〜兵庫県・西宮)と繋がる。新東名高速道路は、従来の東名高速道路の慢性的渋滞の解消や、台風などの自然災害で東名高速道路が不通になった場合に備えることを目的に、1987年に建設が決まった。建設着工当初は“第二東名高速道路”の呼称が一般的だったが、正式名称は“新東名高速道路”になった。

渋滞が起こりにくい道路設計を採用

 新東名高速道路の特徴は渋滞が起きにくい特質を備えている点だ。従来の東名高速道路よりも山側のルートとなるものの、勾配は緩やか。東名高速道路の最大勾配は約5%(御殿場付近)だが、新東名高速道路は最大2%程度。カーブの最小半径も東名高速道路の300mに対して、新東名高速道路は3000mに設定された。新東名高速道路は、アップダウンが少なくしかも直線的なルート設定である。

 高速道路の渋滞原因は1:サグ=穏やかな上り勾配に伴う速度低下(車間距離が詰まり、ブレーキを踏むクルマが増えて渋滞になる) 2:トンネルなどが代表例だ。新東名高速道路の場合、勾配の変化が少ないからサグによる渋滞が発生しにくい。またトンネルも、明るさの変化によって渋滞発生要因となるが、新東名高速道路のトンネル数は15カ所。既存の東名高速道路(69カ所)と較べて圧倒的に少ない。さらに路面が暗く、前のクルマが明るく見える新方式のトンネル照明によって速度低下を抑制している。他にも約2kmの間隔で設置したカメラで情報を収集、情報板やハイウェイラジオ、ITSスポットを通じて最新の交通情報を伝える点も渋滞対策に大きな力を発揮する。

絶品グルメが堪能できるSA&PAが充実

 渋滞の起こりにくい特質とともに、ドライバーにとって魅力的なのは快適に走れる道路設計だ。建設計画段階での新東名高速道路の制限速度は140km/hを想定していた。最終的にはほとんどの部分の制限速度100km/h(一部区間は120km/h)に落ち着いたがハイスピード走行を念頭にした道路作りが徹底しているため、従来の東名高速道路とは比較にならないほど走りやすいのだ。アップダウンが少なく、しかもストレート基調の道路設定は、リラックスして高速ツーリングを楽しめることを意味している。ちなみに燃費面でも新東名高速道路のほうが、従来の東名高速を選ぶよりもメリットが大きいと推測できる。

 ドライブルートとして新東名高速道路を見た場合、ドライブ時のオアシスともいえるSA(サービスエリア)、PA(パーキングエリア)が充実しているのも嬉しい。開通部分には上下線合わせて13カ所のSA&PAが設置され、このうち駿河湾沼津、清水、浜松は充実したアメニティを誇る“NEOPASA(ネオパ−サ)”となっている。NEOPASAとは、新しさを意味する“NEO”とSA&PAを意味する“PASA”を組み合わせたネーミング。広いフードコートとともに、長距離ドライバーのためのドライバーズスポット、ドッグカフェや新業態の店舗などのライフスタイルエリアを兼備している。駐車スペースも余裕たっぷりで、ドライブ時の休憩スポットというよりも、遊びのエリアという趣が強い。NEOPASAでは、静岡ならではの品ぞろえはもちろん、アパレル・雑貨など新業種ショップが軒を連ねており、絶品グルメが堪能できる。
 2012年4月14日の開通以降、従来の東名高速以上の利用率を誇り日本の新たな大動脈として認知を高める新東名高速道路。今後のルート充実に期待が高まる。