チェイサー 【1984,1985,1986,1987,1988】

スポーティーさ鮮明にしたスマートな3代目

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マークII兄弟きってのスポーツイメージが魅力

 チェイサーというモデルが生まれたのは、1977年6月。オート店取り扱いモデルとしてトヨタのラインアップに加わり、トヨペット店向けのマークIIとBROS車の関係にあった。初代は欧州車的な印象のエクステリアデザインの持ち主だった。ポジションランプをヘッドライトの内側に配置したマークIIとは異なり、チェイサーは丸型ヘッドランプが1つずつ左右に配置されたフロントマスクを採用。マークIIよりも若い層を狙い、スポーティーなイメージを発散する。ちなみに初代チェイサーは、3代目マークIIからおよそ半年遅れで誕生している。

 その登場から3年あまりの1980年10月にチェイサーは2代目となり、1984年8月に今回の主役である3代目がデビューを果たした。ちなみに3兄弟のもう1台のクレスタは、2代目チェイサーの半年前(1980年4月)に、ビスタ店向けモデルとして登場。この世代からマークII 3兄弟が構成されたわけだが、3兄弟が同時にフルモデルチェンジを受ける形となったのは、5代目マークII、2代目クレスタ、そしてここで紹介の3代目チェイサーのときからである。

走りの良さを予感させる短い全長

 チェイサーはこの3代目も、スポーティーなイメージを備えていた。マークIIが4ドアハードトップのほかにセダンやワゴンをラインアップし、クレスタが4ドアセダンだったのに対して、チェイサーは4ドアハードトップのスタイリングを採用。以降、チェイサーは代が替わっても4ドアハードトップのみのラインアップを守った。直線基調のエクステリアデザインを纏い、そしてハードトップボディの形状はセンターピラーを残しながらもサッシュレスドアを採用したピラードタイプだ。
 3代目チェイサーは、そのボディサイズにも軽快さがもたらされた。全長はマークIIハードトップとクレスタが4690mmなのに対して、チェイサーは4630mmと60mm短い。1690mmの全幅や1385mmの全高は、3車で共通する。

高性能ストレート6の1G-Gユニット搭載

 搭載されたエンジン(デビュー時)は6種類。2リッター直列6気筒DOHC24Vの1G-Gエンジン(160ps/18.5kg-m)を筆頭に、2リッター直列6気筒SOHCターボ(145ps/21.5kg-m)、2リッター直列6気筒SOHC(130ps/17.5kg-m)、1.8リッター直列4気筒SOHC(100ps/15.5kg-m)、2.4リッター直列4気筒ターボディーゼル(96ps/19.5kg-m)、2.4リッター直列4気筒ディーゼル(83ps/17.0kg-m)をラインアップした。

 インテリアでは操作性を重視したインパネを採用。マークIIのインパネと多少デザインが異なり、メーターナセルがワイドなデザインで、センター部分は上下2分割式となっている。シート形状はマークIIと差がなく、最上級グレードのアバンテではラグジュアリーテイストのシートが装備された。
 2リッターDOHC24Vモデル(5MTと4AT)と2リッターターボモデル(4ATのみ)のATは、電子制御4速フルオートマチックタイプ。また、DOHC24Vモデルには電子制御サスペンションの新TEMSを標準装備し、ABS(ATのみ)やLSDをオプションで設定した。

高出力を達成したGTツインターボ

 3代目チェイサーのデビューから1年2カ月の1985年10月、マークII&クレスタの兄弟車とともに、チェイサーに高出力のパワーユニットが搭載された。GTツインターボと名付けられたモデルに搭載された強心臓は1G-GTEU型ユニット。2リッター直列6気筒DOHC24Vの1G-GEU型ユニットをベースに、ツインターボで武装した高性能エンジンだ。この日本初ツインカム・ツインターボは、最高出力185ps/6200rpm、最大トルク24.0kg-m/3200rpmをマーク。GTツインターボはブレーキの強化なども行われたモデルで、シートはセリカXXやソアラなどにも採用のスポーツシートを装着した。なお、3兄弟のなかでもチェイサーにだけ、5MTのみのGTツインターボSを設定していた。