Renault Captur Intens 【2021】

ヨーロッパで人気ナンバーワンのコンパクトSUV

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中川和昌
コンパクトSUVを主力とするルノー

世界的に、多くのメーカーがSUVをラインナップする現在、このところコンパクトSUVが大幅に増えている。その先駆的な役割を果たしたのがルノーである。今から20年ほど前、当時のメガーヌをベースとしたMPV仕様のルノーセニックのSUVとしてRX4が登場、2000年にモロッコのマラケシュで、試乗した時の好印象を忘れることができない。その後、コンセプトを継承して、2008年にDセグメントのコレオスが発表され、2013年にさらにコンパクトなBセグメントSUVとしてキャプチャーが登場し、その中間車種として2015年にはCセグメントのカジャーが発表されてルノーは多くのSUVをラインナップした。その中で、とくにキャプチャーは2019年までに世界で180万台以上を販売したコンパクトSUVの基礎を築き、フルモデルチェンジして翌2020年にはヨーロッパで販売台数ナンバーワンとなり、日本へは今年の2月に導入された。

フルモデルチェンジした2代目キャプチャー

今回のフルモデルチェンジのハイライトは、エクステリアデザインをはじめ、プラットフォームやパワートレーンを一新、装備や機能、品質など、全体的にクラスを越えた進化を遂げている。注目すべきは、ルノー・日産・三菱との共同開発による軽量かつ高剛性のCMF-Bプラットフォームと、1.3リッター直噴ターボエンジン+電子制御7速デュアルクラッチATである。
 ルノーらしい魅力的で躍動感のあるエレガントなフレンチスタイルは魅力的で、ボディサイズは全長4230mm、全幅1795mm、全高1590mm。先代キャプチャーより95mmも長く、幅は15mm、高さは25mm増えている。注目すべきはホイールベースで、新型は2640mmと先代に対して35mm延長されている。このサイズだとBセグメントとしてはやや大きいが、室内スペースの拡大にも効果を発揮、それでも車重は1,310kgと軽く収まっている。

コンパクトSUVとしてはパワフル。

エンジンは、最高出力154ps、最大トルク270Nmを発揮、コンパクトSUVとしてはゆとりあるパワフルな走りを堪能できる。新型ルーテシアにも同型式のエンジンが搭載されているが、最高出力+23ps、最大トルク+30Nm、パワーアップされ重量増に対応している。さらに、走り出して感じるのは、いかにもルノーらしいしなやかな乗り心地とスポーティなハンドリングとの組み合わせで、あらゆるシチュエーションでNHVは抑えられ、もちろん室内の快適性と合わせて満足感の高い走りを楽しませてくれる。アクセルを踏み込んだ瞬間に、コンパクトなSUVとは思えないほど力強く洗練された加速感を堪能できる。その大きな要因のひとつは、やはり電子制御7速デュアルクラッチATの効果である。高速での加速はもちろん、市街地走行でも、加速や減速の繰り返しに対してもスムーズで、ショックを感じることもなくシフトアップする。

重厚感がある乗り心地の良さが魅力的。

コンパクトなサイズにもかかわらず、重厚感のある乗り心地の良さも魅力的だ。路面の不正や段差などもしっかりと受け止め、それでいて、ただソフトのではなく、しっかり感が強い。それがコーナリングなどにも生かされ、姿勢の変化は少ない。安定感のあるスポーティな走行を楽しませてくれるのである。
 さらに注目すべきは、取材車の標準モデルのインテンスに多彩な運転支援システムを装備していることで、アクティブクルーズコントロールやレーンセンタリングアシスト、360度カメラやオートヘッドライト、他にも多くの先進用予防安全システムを導入して、高い安全性を確保している。さらに装備が充実しているのは、上級グレードのインテンス テックパックで、安全装備は同等だが、電動シートなど多くを装備している。
 また今回の試乗で、好印象だったのは燃費に良さだった。Ecoモードで、高速道路212.6㎞を約時速100㎞で走行して、100㎞走行するのに4.9リッター、20.4㎞/Lという高燃費を計測。カタログデータを上回っていた。多くの点で、キャプチャーは優れたコンパクトSUVであることを理解できた。