シャリオ グランディス 【1997,1998,1999,2000,2001,2002,2003】

端正なルックスを持ったミニバンのヒット作



元祖ミニバンらしい高い完成度

 1980年代に日本市場で大きなシェアを獲得することになったミニバンのパイオニアの一台となった三菱シャリオは、1997年10月にシャリオ グランディスの名を与えられて第三世代となった。車名のシャリオ(Chariot)とは、古代ローマ時代に使われた戦闘用の軽量な2輪馬車のフランス語表記であり、グランディス(Grandis)は、雄大なとか堂々としたなどの意味を持つフランス語(grandiose)に由来する。

 初代のシャリオは、1983年2月にデビューしている。エッジの利いたシャープな2ボックススタイルと5ナンバーサイズでありながら3列シートによる7名乗車が可能であったことなどで高い人気を集め、日本のミニバンの先駆の一台となった。デビュー当初はフロント横置きエンジンのよる前2輪駆動仕様のみだったが、1984年にはパートタイム4輪駆動仕様を、1987年にはフルタイム4輪駆動仕様も加わる。

 第三世代となったシャリオは、新たにグランディスの名が加えられ、全車種3ナンバーサイズのボディーを持つことになった。他社から同工異曲のモデルが数多く登場し、このセグメントでも激烈なシェア争いが繰り広げられた。また、ボディーサイズが拡大されたのには税制の見直しで3ナンバーサイズでも税制面のデメリットがなくなったことが大きな要因である。基本的なスタイリングは、2ボックス4ドア+ハッチゲートのミニバンであることに変わりはないが、サイズ的には全長4585㎜、全幅1775㎜、全高1650㎜、ホイールベース2780㎜となった。スタイリングは初代同様に実用性を重視したもので、室内スペースの拡大を狙った造形。室内シートは3列配置で最大7名の乗車が可能だった。前席左右の移動ができ、前後席の移動もしやすいウォークスルー機構も採り入れていた。

直4とV6のDOHCエンジンを搭載

 搭載エンジンは、排気量2350㏄の直列4気筒DOHC16バルブ(4G64型、出力165ps/5500rpm)のみ。1999年10月に排気量2972㏄のV型6気筒DOHC24バルブ(6G72型、215ps/5500rpm)も一部車種に搭載された。駆動方式はVCU(ビスカスカップリング)をセンターデファレンシャルとして使ったフルタイム4輪駆動と、経済性に優れた前2輪駆動から選ぶことができた。

 トランスミッションは4速オートマチックのみの設定。サスペンションは前がマクファーソンストラット/コイルスプリング、後ろがセミトレーリングアーム/コイルスプリングで同じ三菱のRVRと同じ形式である。ブレーキは前がベンチレーテッドディスク、後ろはドラムでサーボ機構を備える。タイヤは205/65R15サイズが標準装備となる。デビュー時のモデルバリエーションは2輪駆動仕様が5グレード、4輪駆動仕様が4グレード揃っていた。

安全面での備えも充実

 シャリオ グランディスはフルモノコック構造に別構造のフレームやクロスメンバーを加えることで防振効果を高めるなど、独自のボディー構造が特徴。安全性の面でもSRSエアバッグを全車に標準装備(サイドエアバッグは一部に標準装備)した。リアドアはスライド式ではなく、一般的なヒンジタイプだった。

 1997年10月17日に販売を開始したシャリオグランディスの受注は、発売から1カ月で月間販売目標6000台の2倍にあたる1万2000台に達し、好調なスタートを切った。力強く高級感のあるスタイリングなども好評で、ファミリーユースを前提とした30代から40代の男性が中心ユーザー。30代が39%、40代が28%という内訳だった。その後も好調なセールスは継続し、1998年1月の登録台数は5612台。普通乗用車(3ナンバー車)の中で第1位をマークした。普通乗用車(3ナンバー車)の登録実績で三菱車が単月で1位となったのは初の快挙であった。また、1998年3月の登録台数は、1万1801台を記録。1988年3月に記録したギャランの1万0158台を抜き、三菱の登録車単一銘柄・単一ボディスタイルとして過去最高台数を達成した。

 しかしライバル車種の台頭もあり、販売台数は徐々に減少、2003年5月にフルモデルチェンジしたグランディスの登場により、シャリオの名は消滅した。