カペラ 【1994,1995,1996,1997】

実用性を追求した5ナンバー復活モデル

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復活版は実用セダンとして原点回帰

 5代目カペラは、4ドアセダンのほか、2ドアクーペのC2、5ドアハッチバックのCG、そしてステーションワゴン(およびバン)のカーゴと、多彩なラインアップを揃えていた。しかし、日本経済はバブル景気のまっただ中。1988年にスタートしたMI計画に端を発した多チャンネル展開など、マツダは新たなステージへと舵を切った。

 一新したマツダにおいて、中核モデルのカペラは、カーゴを残し、1991年にセダンはクロノスとして生まれ変わった(クーペのC2はMX-6、5ドアのCGはMS-6が後継モデル)。クロノスはV6エンジンを搭載し、1770mmの全幅を持つ3ナンバーボディーを奢り、鳴り物入りでデビューを果たした。しかし、メーカーが描いた戦略とは裏腹に、マツダのラインアップはモデルによって明暗が分かれていく。クロノスの販売は苦戦。ユーザーからは、従来の扱いやすさを求める声が挙がった。

 そこで誕生したのが、6代目カペラだった。1991年10月のクロノスのデビューから3年足らず。1994年8月のことだ。復活を遂げたカペラは、「原点に返る」を基本に開発された。クロノスのシャシーをベースに、1695mmの5ナンバーボディーを採用し、実用性を追求したモデルとして復活した。ちなみに、この時点ではクロノスは継続され、1994年10月にマイナーチェンジを実施した(翌年の1995年に販売終了)。

6代目は居住性に富んだキャビンを創造

 6代目カペラのボディサイズは、全長4595mm×全幅1695mm×全高1395mm。ベースとなったクロノスと比較すると、全長は100mmも短く、全幅も75mm狭い(全高は5mmのマイナス)。ホイールベースはクロノスと共通の2610mmとなっていた。

 フロントマスクは薄型の4灯式ヘッドライトを配置し、グリル上部にマツダのエンブレムを採用。リアまわりでは左右のコンビランプの間にはガーニッシュがなく、前後ともに装飾は必要最小限に抑えられた。5ナンバー枠に収められたボディーのサイドビューもオーソドックスさが際立つデザインだった。クロノスのエクステリアに反して、カペラはスクエアでシンプルなボディーを手に入れていた。

 クロノスに対してひとまわりコンパクトな体躯のカペラだが、室内の広さはクロノスと同等だった。室内寸法は室内長1900mm×室内幅1450mm×室内高1160mm。クロノスと共通する室内寸法を持っていた。結果、身長180cmのパッセンジャーがゆったりと座れるというメーカーの説明にも納得できるだけのスペースを誇り、実用性に長けたセダンとして魅力的な一面がここでも光っていた。

エンジンは全車4気筒ユニットを搭載

 搭載エンジンは、V型6気筒DOHCユニットを奢ったクロノスとは差別化を図り、全車に直列4気筒ユニットを積み込んだ。2リッター直列4気筒DOHC16Vユニットは、125ps/5500rpmの最高出力と、17.6kg-m/4500rpmの最大トルクを発揮。このユニットをFFのほか4WDにも搭載した。1.8リッターユニットも直列4気筒DOHC16Vで、最高出力は115ps/5500rpm、最大トルクは16.0kg-m/4500rpm。こちらはFFのみの搭載だった。トランスミッションは、全グレードで5速MTと電子制御4速ATを用意していた。

 5ナンバーボディにひとクラス上の広いキャビンスペースを設え、実用性の高い4気筒エンジンを搭載。派手さはないが、まさに質実剛健な作りで魅力を磨き上げた。6代目カペラは、ミドルサイズセダンとしての資質を存分に携えた正統派セダンであった。