マツダECO4 【2012,2013,2014,2015,2016,2017,2018】

電気自動車の開発とスカイアクティブ技術の進化

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電気自動車の「デミオEV」を開発・リース販売

 2010年代に入ってからのマツダは、これからのサステイナブル・モビリティ(持続可能な移動社会)の実現のために、電気自動車(EV)や次世代技術群のスカイアクティブ(SKYACTIVE)の研究開発に精力的に取り組んでいった。
 2012年7月には電気自動車の「デミオEV」を発表し、10月からリース販売を開始する。ベース車は3代目のデミオで、型式はDBA-DE3FS改。原動機には75kW/150N・mのパワー&トルクを発生する永久磁石型三相交流同期モーターを搭載し、独自の巻線切り替え式を採用するなどして低速トルクと高回転化を両立する。駆動用バッテリーには床下に広く、かつ薄く配置したリチウムイオンバッテリー(容量20kWh/総電圧346V)をセット。走行モードは通常走行用のDレンジとエコドライブをサポートするEレンジ、そして両モードで回生ブレーキをさらに強めるチャージスイッチを設定し、計4モードの選択を可能とした。

充電については、急速充電器使用時で電池容量0%から80%までの充電を約40分でこなし、さらに家庭での充電時間も200Vの普通充電で電池容量0%からフル充電までを約8時間で実現する。1回のフル充電での走行距離は、JC08モード走行で200kmを達成。オプション装備として、電力供給装置としての役割を果たす100V給電システムをリアトランク下部に配置した。EV独自の装備も充実しており、放電/充電状態を示すパワーメーターやパソコンおよびスマートフォンからリモート充電の操作などが行えるITサポートシステム、歩行者に車両の接近を知らせる車両接近通報装置、PTC(正温度係数)ヒーターを使った暖房と電動コンプレッサーを使用した冷房を組み合わせた専用の空調システムなどを盛り込む。車両価格は357万7000円に設定していた。

3代目アクセラに進化版のSKYACTIV技術を採用

 2013年10月になると、進化版のスカイアクティブ技術を採用した3代目アクセラが市場デビューを果たす。環境性能の向上に関しては、パワートレイン系を中心に展開した。
 中でも注目は、新ユニットのSKYACTIV-HYBRIDをラインアップに加えたこと。トヨタとの技術提携によりプリウスで定評のある最先端ハイブリッドシステムを採用した環境パワーユニットである。

エンジンは排気の一部を吸気側に戻すクールドEGRを組み込み、圧縮比を14.0とした専用のSKYACTIV-G 2.0を搭載。モーターには60kW/207N・mを発生するMG型交流同期電動機を、電池には高電圧ニッケル水素バッテリーを組み合わせる。さらに、排気熱回収システムや専用のパワーコントロールユニット、トランスアクスル方式などを採用し、JC08モード走行燃費は30.8km/Lを達成した。

REレンジエクステンダーの開発

 電気自動車やスカイアクティブ技術で環境性能の向上を図る一方、マツダは独自の技術であるロータリーエンジンを使った「REレンジエクステンダー」の開発も推し進める。レンジエクステンダー(Range Extender)とは、電気自動車に発電用エンジンを搭載することで航続距離を延ばす仕組み。駆動に用いるのはモーターのみで、エンジンはあくまでもバッテリーを充電するために使われる。マツダではMazda2(デミオ)をベースに、フロント部にモーターを、センター部にリチウムイオンバッテリーを、リア部に排気量330ccの新設計シングルロータリーエンジンを置き、モーターで前輪を駆動する機構を開発。航続距離はデミオEVの倍となる約400kmに達する見込みだ。

 マツダ渾身の新環境対応車であるREレンジエクステンダーのデミオは、2018年に発売される予定。新ロータリーエンジン等の特許は日本のみならず米国などでも出願しており、マツダの新たな世界戦略エコカーに発展することが期待されている。