セリカ 【1970,1971,1972,1973,1974,1975,1976,1977】

70年代を代表した先進スペシャルティ

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流麗でスポーティなスタイリングと、
俊敏なパフォーマンス、そして快適な室内空間を持つ
クルマ好きの夢を実現した存在、それがスペシャルティカーである。
日本初のスペシャルティカーとして誕生したセリカは、
名車フォード・マスタングを入念に研究。
フルチョイス・システムという斬新な販売システムで
ユーザーにクルマ選びの“自由”も提案した。
マスタングの成功がセリカを生んだ!

 1970年10月23日、トヨタはフォード・マスタングのコンセプトを手本とした日本初のスペシャルティカーとして、セリカ(Celica)という名の新型車を発表した。
スペシャルティカーとは、スポーツカーのようなルックスと性能を持ち、快適性も重視したパーソナルカーを意味する。その代表が1964年にデビューしたフォード マスタングだった。マスタングはデビュー初年で30万台を販売する大成功を収める。

この大成功を支えた大きな要素が、フルチョイス システムと呼ばれる独特のラインアップ展開と言われている。メーカーがおびただしい数の取り付け可能なアクセサリーやチューンアップパーツを用意。ユーザー自身が、好みや予算事情に応じて自分だけのスペシャルなモデルを完成させることができる仕組みだ。アクセサリーやパーツは数千点にも及び、大きいものはエンジンやトランスミッションに始まり、小さいものはドアハンドルやシフトノブ一個に至るまで、細かなアイテムが用意されていた。基本的なスタイルは同じであっても、自分だけの1台を作り上げることができた。これが、当時の若者に大人気を呼んだのである。

エクステリアからデザインされた最初の日本車

 フルチョイス システムを日本車として初めて導入したのがセリカだった。最も注目されたのは、スタイリングである。高速で飛ぶジェット機の翼に採用されていた層流翼と呼ばれる独特な形状の翼の断面形をスタイリングの基本としていた。おそらく、エクステリアからデザインされた最初の日本車だったのではないだろうか。ボディタイプはロングノーズ形状のピラーレス・ハードトップクーペだった。

 セリカは、スタイルの良さと十分にリーズナブルな価格設定(1600GTで87万5千円)、そしてフルチョイス システムにより、日本のクルマ社会に“セリカ・ブーム”を引き起こす。ボディバリェーションは、発表当初は2ドアクーペのみで、モデルバリェーションは基本的な装備の違いにより、ET、LT、ST、GTの4種があった。搭載可能なエンジンはいずれも直列4気筒だが、排気量が1400㏄と1600㏄の2種、キャブレーションが1600㏄仕様ではシングルキャブレターとツインキャブレターの2種あり、1600㏄DOHCツインキャブレター仕様はGTにのみ搭載された。トランスミッションは4速および5速のマニュアルのほか、トヨグライド3速オートマチックトランスミッションの搭載も可能だった。ただし。GTは5速マニュアルのみの設定となっていた。

 インテリアの基本形は9種もあったが、GTは一種だけに限定される。トップグレードのGTだけは、事実上フルチョイス・システムから外された独立モデルという位置づけであった。ちなみにセリカのメカニカルコンポーネンツの大部分は、同じタイミングで発表されたカリーナに共通するものとなっていた。部品の共用を図ることで、生産コストの引き下げを狙ったのである。

1972年、走り指向のGTVデビュー!

 1967年の2000GT以来、本格的なスポーツモデルを持たなかったトヨタは、セリカ1600GTという日本的なスペシャリティーカーを登場させることで、日本の自動車市場にまったく新しいマーケットを開拓することに成功した。セリカという新型スペシャルティカーが、純粋なモータースポーツ用ではなかったことは、実にトヨタ的な発想であったといえるだろう。

 セリカは1972年8月のフェイスリフトと同時に、GTの足回りを固めた純スポーツ仕様のGTVを追加。GTVは、装備を簡略化することで価格をリーズナブルに抑えた事もあり若者の絶大な支持を受けた。さらに1973年4月には大型テールゲートを備えたファストバック形状のLB(リフトバック)が登場し、2000ccエンジンも選べるようになるなどバリエーションを着実に広げていった。

COLUMN
コンセプトカーから生まれた斬新造形
 セリカのプロトタイプは69年の第16回東京モーターショーに出品されたEX-1。低いボディシルエット、特徴的な前後のバンパー処理、そしてラミナー・フローライン(成層圏ジェット層流翼がつくる乱れのない流線)と呼ばれる独特の曲面処理は、そのまま精算型のセリカに継承されている。また1973年4月にラインアップに加わったLB(リフトバック)も、プロトタイプは1971年の第18回東京モーターショーに提示されたプロトタイプのSV-1だった。スポーツマインドとユーティリティが融合した新提案モデルで、大型テールゲートにははっきりとSV-1の影響が見られる。