未来のクルマ03:コンパクトEV 【2006,2007,2008】

未来を作るピュアEV



高い完成度が魅力のi-MiEV

 三菱自動車は、2006年に市販前提の新世代コンパクトEVの“i MiEV”(アイ・ミーブ。MiEVはMitsubishi innovative Electric Vehicleの略)を開発する。ベース車はリアミッドシップレイアウトを採用する軽自動車の“i”で、エンジンと燃料タンクの代わりにモーターやリチウムイオン電池、インバータ、充電器などのEV関連システムを搭載していた。

 コアとなるメカニズムを解説しよう。原動機は永久磁石式の同期モーターで、長年に渡って小型・軽量化を模索した逸品。さらに高出力と高効率化も重視し、試験走行を実施する2006年には最高出力47kW、最大トルク180Nm、最高回転数8500rpmにまで到達した。電池は最新のリチウムイオンで、総電圧330V、総電力量16kWh~20kWhを記録する。1回のフル充電での航続距離は、10・15モード走行で160kmを実現した。

実態に即したテストで完成度UP!

 i MiEVの充電方式は、一般家庭などでの電源コンセント(100V/200V)に差し込んで充電する方式と急速充電器(3相200V)を使う方式の2パターンに対応する。充電時間は家庭用100Vで14時間、200Vで7時間、急速充電器では30分間で80%の充電が可能だ。また急速充電器は三菱自動車と各電力会社とで共同開発しており、今後さらに高効率化を図る予定である。

 i MiEVの試験走行は、2006年11月から東京電力および中国電力と共同で開始される。また翌2007年には九州電力、関西電力、北陸電力も加わった。さらに協力会社に向けたフリートモニター用i MiEVも供給し、実際の使用環境下での様々なデータ収集と解析に取り組んでいる。

 三菱自動車はi MiEVのほかに、i MiEVスポーツという2ドアモデルも提案する。EV関連システムは基本的にi MiEVと同様だが、フロント・インホイールモーターとS-AWC、無線充電システムなどの新技術を採用し、さらなるコンパクトEVの可能性を追求している。

SUBARU渾身作のR1eとG4e

 高い技術力を誇る富士重工(現SUBARU)は、東京電力と共同で短距離移動型のコンパクトEVの開発を進めている。車名はR1e。同社の軽自動車のR1をベースに、EV関連システムを組み込んだ先進の1台だ。

 R1eのモーターは永久磁石型同期式を採用する。最高出力は40kW、1充電の走行距離は80kmに達する。バッテリー種類は246Vの総電圧を誇るリチウムイオン電池。充電性能は一般家庭用AC電源でフル充電に8時間、急速充電器では15分間で80%の充電が可能である。

 R1eは2007年の時点で40台が納入され、東京電力の地域営業活動や自治体の業務などで試験走行が続けられているが、富士重工はそのデータを収集・解析し、さらなる高効率化を図ったモデルも提案する。2007年の東京モーターショーで披露されたG4eだ。

 G4eのメカニズムにおける最大の注目点はバッテリーにある。プラス側電極にバナジウムを用いた次世代型リチウムイオンバッテリーは、エネルギー密度を増やすことによって大幅な航続距離の延長を実現。G4eに組み込んだ場合、1充電で約200kmの航続が可能となった。また、この電池はメンテナンスフリーのため扱いも容易というメリットも持っている。