ハイラックス・サーフ 【1995,1996,1997,1998,1999,2000,2001,2002】

“New SUV”を標榜した新ミディアム4WDワゴン



多様な用途に応える新しいSUVの検討

 クロスカントリータイプの4WD車を中心に活況を呈した“四駆ブーム”の最中の1990年代前半、各社はこぞってミディアムクラスの新型SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)を市場に送り出す。

 1991年1月には三菱自動車が2代目となるパジェロを発売。また同月にはマツダがプロシード・マービーをリリースする。同年12月にはいすゞ自動車が2代目ビッグホーンを発表。1994年になると2月にビッグホーンのホンダ版となるホライゾンが、6月にはスペイン産(ニッサン・モトール・イベリカ)の日産ミストラルが登場した。さらに1995年9月には、日産自動車がテラノを2代目に切り替える。これらのニューモデルに加え、価格を大幅に引き下げたジープ・チェロキーやランドローバー・ディスカバリーといった輸入車勢も高い人気を博した。

 新しいミディアムSUVが市場で脚光を浴びるなか、国内最大の自動車メーカーであるトヨタ自動車は、同クラスの主力SUVであるハイラックス・サーフの次期型の企画を着々と推し進める。ライバル車の特性やユーザーの動向など様々な視点から検討した結果、トヨタのスタッフは①優れた動力性能と燃費性能の両立②優れた不整地走破性能と力強く爽快な走り③スタイリッシュなエクステリア④乗用車感覚のインテリア⑤一段と充実させた安全と環境への配慮という5点の実現を次期型の主要開発テーマに据えた。

エンジンのリファインで走りをレベルアップ

 動力性能については、新ガソリンエンジンの設定がメインメニューとなる。フラッグシップユニットは5VZ-FE型3378cc・V6DOHC24V(185ps)。低中速域の力強さや高速域での伸びの良さといった優れた動力性能を確保するとともに、10・15モード走行で7.7km/Lというクラストップレベルの燃費性能を達成した。

 ガソリンエンジンではもう1基、軽快な加速を演じる3RZ-FE型2693cc直4DOHC16V(150ps)も用意する。ディーゼルエンジンについては従来の改良版となる1KZ-TE型2982cc直4OHCターボ(130ps)を搭載。駆動系の抵抗低減などを図った結果、燃費性能は従来比で約10%向上した。

 走行性能に関しては、新開発のフレーム付きボディやサスペンション、新トランスファーなどがトピックだ。フレームはサイドレールや懸架装置取付部などの剛性を高め、同時に組み合わせるボディの高剛性化と軽量化を実施。さらに、ホイールベースの延長やトレッドの拡大、支持および結合剛性の向上、ボディマウントの強化も行った。サスペンションは前ダブルウィッシュボーン/コイル、後ラテラルロッド付き4リンク/コイルを採用する。前後ともにスタビライザーを装備してロール剛性を高めるとともに、ホイールストロークを拡大して走行安定性を引き上げた。トランスファーではセンターデフ付きパートタイム4WDとなるマルチモード4WDを新規に開発。様々な走行条件下での駆動力の向上を図った。

スタイリングはタフなアーバン感覚

 スタイリングについては、「都会的で洗練されたスポーティ感とタフさの表現」に主眼を置く。フロント部はボディとの一体感をもたせたヘッドランプとバンパー、さらに力感を強調したグリルで都会的な個性を主張。サイド部は開放感あふれるキャビンに引き締まった造形のフェンダーおよびボディ、そして伸びやかなキャラクターラインなどによってスポーティ感を表現する。リア部は昇降ウィンドウ付きの上ヒンジ式テールゲートやリアスポイラー(新開発のパワーリアアンダーミラーを最上級グレードに設定)など全体をシンプルかつ洗練されたデザインで構成した。ボディタイプはオーバーフェンダーを付けたワイドボディ(全幅1800mm)と標準ボディ(同1690mm)の2タイプを用意する。

 インテリアに関しては、「優れた機能性と開放感を高次元で融合」させることを開発テーマに据えた。床面地上高を従来比で40mm下げて乗降性をアップ。その上で、ヘッドクリアランスおよびレッグスペースの拡大やシートスライド量の延長、前後シートのフルフラット化、伸びやかで上質なインパネの採用、マルチAVステーションの設定などを実施する。また、ステアリング機構は従来のボール・ナット式からラック&ピニオン式に変更し、操縦性の向上を図った。

 3代目となる新しいハイラックス・サーフは、1995年12月に市場デビューを果たす。2タイプのボディに3種のエンジン、豊富なグレード構成、多彩なオプショナルパーツと、ワイドバリエーションを展開した3代目はたちまち高い人気を獲得し、ほどなくしてミディアムSUVの中心車種に据えられるようになった。