レクサスLS 【2006,2007,2008,2009,2010,2011,2012,2013,2014,2015,2016,2017】

先進技術と匠の技を結集したフラッグシップ



世界トップの高級車を目指したレクサスの挑戦

 「レクサス(LEXUS)」」という全く新しいブランドが、日本の市場に登場したのは、2005年8月のことだ。レクサスは1989年からアメリカ市場でトヨタが展開していた高級車ブランドであり、アメリカ市場での好調振りをそのままに、日本市場での展開を図ったものだ。「レクサス」のブランド名には特別の意味は無いとされるが、豪華さを意味する英語のラグジュアリー(Luxury)と気高さを意味する(Elegance)の綴りを部分的に組み合わせたものであるとか、ドイツ語で豪華さを意味するLuxusからの造語であるなどの諸説がある。

 日本でレクサス系の事業展開が開始され、それまでのセルシオやアリスト、ソアラ、アルテッツアなどは、海外マーケットと同様にレクサス・シリーズの一員へと順次変更され、レクサス専売モデルとした。セルシオはLSシリーズへ、アリストはGSシリーズへ、ソアラはSCシリーズへ、アルテッツアはISシリーズへと各々変更された。中でもLSシリーズはレクサス全体のトップモデルに位置付けられ、独自のポジションを築き上げている。ちなみに、「LS」のモデル名は、英語で豪華なセダンを意味するLuxury Sedanのイニシャルを採ったものである。

LSはレクサスの方向性を再定義した存在

 2006年9月に登場したレクサスLSは、欧米では4代目のLS、セルシオの後継となる日本市場では初代LSとなった。LSは、レクサスのブランドメッセージを再構築する意欲作だった。開発コンセプトは「夢への挑戦、そして超越」。日本の持てる技術をフルに投入し、かつてない凛とした走りの世界を作り出すとともに、欧米のライバルにないもてなしの心ですべてを満たす事。

 スタイリングはもちろん、クルマの基本となるプラットフォーム、エンジン、トランスミッション、サスペンションを完全一新することで、世界に誇るレクサス固有の価値を再定義した。具体的にはボクシーでフォーマルなスタイリングをエモーショナルで躍動感溢れるフォルムに一新。17年間リファインして使い続けてきたエンジンを、4608ccの排気量から385ps/6400rpmの最高出力を発揮する新開発ユニットへと換装するとともに、世界初の8速ATやオールニューの4輪マルチリンク式サスペンションで、走りの実力そのものを磨き上げた。さらにハイブリッド仕様をラインアップに加えるなど世界トップの環境性能も身に付けた。それだけではない。クルマのすべてを匠の技で磨き込み、高い信頼性と上質な作りを実現していた。所有することに誇りと歓びを感じる逸品。レクサスLSは、開発者の思いが感じられる生粋の高級車だった。

スタイリングは躍動感とエモーショナルな雰囲気を融合!

 ボディ構造はフルモノコック構造で、ホイールベース2970mm、全長5030mm×全幅1875mm×全高1465mmのボディサイズは、センチュリーよりは小さいがクラウンよりは一回り大型化されている。ライバルとなるメルセデス・ベンツSクラスやBMW7シリーズとオーバーラップし、レクサスのトップモデルであるLSのポジションを如実に示している。スタイリングは、トランク部分を短くしたショートデッキ型で、歩行者衝突安全性を高めた曲面でデザインされたボンネットなどと共に新世代のトヨタ製高級車に共通するバランスに優れた現代的なもの。意地悪い見方をするなら、世界中の高級車の「良い所取り」の感じもするが、全体として見れば極めて高いレベルのオリジナリティを持つものだ。躍動感とエモーショナルな雰囲気を融合したグッドデザインである。

「安心して速く走れる」ための先進の統合コントロールVDIM

 レクサスLSは、エモーショナルなドライビングのときめき、しなやかな走りをどんな状況でもドライバーが味わえるよう高度なドライビングサポート機能を備えていた。コーナリングなど、さまざまなシチュエーションでの路面の変化やドライバーのミスに対応し、必要な時には的確にサポートする機構である。その代表がVDIM(アクティブステアリング統合制御付)だ。VDIMは、エンジン、ブレーキ、ステアリングなど、それぞれ単独で制御していた機能をひとつに集約制御することで、理想的な運動性能とより高い予防安全性を両立した先進システムである。

 たとえば濡れた路面のカーブなどクルマが横滑りする可能性のある時には、エンジン出力制御、ブレーキ制御を働かせることで滑り出しを抑制。さらにアクティブステアリング統合制御によってVGRS(バリアブルギアレシオ・ステアリング)が前輪の切れ角をコントロールし車両姿勢を安定させるのだ。この結果、ドライバーはカーブを安全に気持ちよく走り抜けることができる。レクサスLSはドライバーの意識のその先まで、クルマ側が可能な限りサポートすることで、新次元の走りの世界を実現した逸品だった。

ハイブリッド仕様も設定し先進性をアピール

 インテリアはオーナードライバー向けとしては最高の広さと快適装備、安全装備を備える。ドライバーズカーというと、どうしてもリアコンパートメントが軽視され勝ちなものだが、LSは後席の快適性はまったく犠牲にしてはいない。グレードによって、後席パワーリクライニングシートなどが装備された。内装およびシート地は、アルカンタラ仕様、セミアニリン仕上げの本革仕様が選択出来る。さらに、安全装備の一つとしてプリクラッシュ・セフティーシステム(衝突を予測しドライバーに警報を発し、ブレーキをアシストし、シートベルトを強く締める)なども装備可能となっていた。
 2007年5月にはエンジンの排気量を4968ccに拡大(最高出力394ps/6400rpm)し、165kWの電気モーターを併設したハイブリッド仕様のLS600hが加わった。電気式無段トランスミッション装備仕様やホイールベースを3090mmに延長したLWB(ロングホイールベース)仕様も追加。レクサスLS460と600hは、世界に向けてトヨタ製高級車の実力を示した価値あるモデルだった。その完成度の高さは世界の逸品といえた。