ノア 【2001,2002,2003,2004,2005,2006,2007】

ファミリー層から圧倒的な支持を受けた5ナンバーミニバン

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ヴォクシーと兄弟車の関係

 トヨタの主力ミニバンのひとつノアは、2001年にヴォクシーとともにデビューした。ノアという名称は、先代に当たるタウンエース・ノア&ライトエース・ノアですでに用いられていたもの。フルモデルチェンジをきっかけに、「タウンエース」の名が外れ、「ノア」として歩みを重ねていくことになった。その際、ライトエース・ノアはヴォクシーとして生まれ変わっている。
 ノア(NOAH)と聞けば「ノアの方舟(Noah's Ark)」を連想するが、ノアの方舟は旧約聖書に登場する物語である。関係がありそうに思えるが、トヨタでは「ノアは英語で、優しい語感の人名」を表しているといい、「ノアの方舟とは関係はない」と説明している。ノアはTVコマーシャルにおいて「夢を、はこぶね」「笑顔、はこぶね」と謳っているように、家族の団らんを運ぶモデルとして開発された。ファミリー層を中心に支持を受けるトヨタのヒットモデルであることは紛れもない事実である。
 R60G型ノアは、兄弟車であるヴォクシーとはディテールが異なるエクステリアを持つ。クールで引き締まったイメージのヴォクシーに対して、ノアはクリーンな造形で存在感とともに親しみやすさを演出している。フロントグリルはオーソドックスな横桟スタイルだが、最上部にメッキパーツを施し、その下をボディ同色で塗られたグリルはクラスを超えた存在感を持つ。リアドアは、両側とも便利なスライドドアを採用している。

扱い易い5ナンバーボディを採用

 グレード構成は、エアロパーツを纏うSグレード、上級仕様のLグレード、そして標準仕様のXグレードの3グレードを基本に、SとXには装備を充実させたGセレクションを用意。それぞれに2WD、4WDを用意し、計10タイプでデビューを果たしている。
 全長×全幅×全高は4560(Sは4615)×1695×1850mmの、5ナンバーサイズである。また、後述するが搭載エンジンも2L(1998cc)であるため、ノアは生粋の5ナンバーモデル。フロアパンは、ひとクラス上(3ナンバーボディー)の2代目イプサムと共有化されているが、コンパクトに仕上げたのが特徴だ。なおホイールベースはイプサムと共通の2825mmとなっていた。

広く開放感あふれる室内を実現

 ノアはクラスを超えたルーミーなインテリアがノアのセールスポイントになる。フロントから2名/3名/3名掛けの3列シートを備え、乗車定員は8名のみ。2対1分割スライド機能を装備するセカンドシートは、簡単な操作で前方に起き上がり、左右どちらの後部ドアからも3列目への乗り降りが楽に行える。マルチ回転シートも全グレードにオプションで用意。これはサードシートとの対面を可能にした、アウトドアシーンで活躍するシートである。インテリアカラーは、スポーティーな装いのSグレードではグレーのみ。そのほかでは、ボディ色に合わせてグレーのほかアイボリーを採用している。

 搭載エンジンは1タイプのみで、1AZ-FSE型1998cc直列4気筒DOHC16Vの直噴D-4エンジン。最高出力は152ps/6000rpm、最大トルクは20.4kg-m/4000rpmを発揮する。トランスミッションは、コラム式シフトレバーを備える電子制御4速ATを、2WD、4WDともに組み合わせている。

マイナーチェンジを受け、機能を充実

 デビューから2年9カ月の2004年8月、ノアは、兄弟車のヴォクシーとともにマイナーチェンジを受ける。Sグレードに新デザインのフロントグリルやアルミホイールを採用するなどスポーティー感を強めたエクステリアデザインを採用。合わせてセンターメーター部分を中心にインテリアにも手を加えた。

 内外観のほか、機能面での充実ぶりが目を引く内容で、デュアルパワースライドドアとパワーバックドアの採用は朗報だった。また、ナビゲーションシステムからの道路情報と車両からの道路勾配情報を利用して変速比の制御を自動的に行うNAVI・AI-SHIFTを採用。同時に、低燃費と優れた静粛性を実現するSuper CVT-iを投入した。またSグレードでは、7速スポーツステアシフトマチックを装備し、マニュアル感覚のドライビングが楽しめるようになった。