ビスタ 【1985,1986,1987,1988,1989,1990】

クラスを超えた上質ミドルサイズサルーン

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ディーラー名称を車名にしたニューモデルの誕生

 1980年、トヨタのネットワークに新しい販売チャンネルとして、ビスタ店が産声を上げた。当時トヨタのディーラーネットワークはトヨタ店、トヨペット店、カローラ店、オート店の4系列体制だったが、ビスタ店の追加で5チャンネル体制となった。スタート時の取り扱いモデルは、ビスタ店の誕生とともに発売となったクレスタをはじめ、セリカの4ドア版としてのポジショニングだったセリカカムリ(当初はカローラ店との併売)や、ターセルなどをラインアップした。

 ビスタ店の開設から2年、ディーラー名を車名に冠したニューモデル、ビスタがデビューを果たす。カムリ(1982年からはセリカの名が取れ、カムリに)とは兄弟車の関係にあり、以降4世代に渡ってカムリとは兄弟車の関係を持っていく。

 ビスタとは「展望、眺望」を意味する英語(vista)から命名された。国産車では英語をはじめ外国語をもとに造語を用いる車名も目立つなか、ビスタではアルファベットの綴りもそのままに車名に用いている。ネーミングとしてはディーラーネットワークのほうが先で、「見通しのきく道」という意味も持つ英語を使用し、それを車名にも使用したということだろう。
 そのビスタが初めてフルモデルチェンジを果たして登場したのが、この2代目ビスタである。ボディースタイルは4ドアセダンと5ドアリフトバックの初代とは異なり、4ドアセダンと4ドアハードトップをラインアップした。

ハードトップがイメージリーダー

 セダンは全長×全幅×全高4520×1690×1395mm。オーソドックスなサッシュドアを用いていて、リアウィンドウ後方にはクオーターガラスを持つ6ライトのウィンドウ構成となっていた。一方のハードトップは4520×1690×1370mmのスリーサイズで、サッシュレスドアを用いたピラードハードトップ。サイズを比べると全長と全幅は共通で、ハードトップは全高が25mm低い。スタイリッシュなデザインを採用してスペシャルティーカーにも通ずる上質かつ個性的な雰囲気でまとめられたハードトップが、ビスタのイメージリーダーとしての役目を担っていった。

 インテリアは、ハードトップ、セダンともに共通の基本デザインで、上下分割デザインのインパネが特徴だ。メーターの左側にハザードランプのスイッチを、右側にリアウィンドウデフォッガーをレイアウトするなど操作性を追求したインパネデザイン。上級グレードにはエレクトロニックディスプレイメーターを採用した(オプション設定)。また、一部除くAT車に足踏み式パーキングブレーキを採用している。

ハイメカツインカムを搭載

 搭載エンジンにおいてハードトップとセダンはキャラクターの差別化が図られた。どちらも主力となるエンジンは、新開発のハイメカツインカム3S-FE型1998cc直列4気筒DOHC16V(120ps)で、1S-i型1852cc直列4気筒SOHC(85ps)もハードトップとセダンの両方にラインアップする。このほかセダンでは経済性に優れた2Lディーゼルターボ(82ps)も用意。ハードトップでは、FFセリカにも搭載したパワフルでスポーティ指向の3S-GE型1998cc直4DOHC16Vエンジン(140ps)を投入した。トランスミッションは全グレードに5速MTを用意。ATは4速タイプだが、上級グレードでは電子制御式ATを採用していた。