エアトレック 【2001,2002,2003,2004,2005,2006,2007,2008,2009】

優れた走破性を誇ったスタイリッシュSUV



デザイン性に優れた内外装を実現

 三菱自動車がエアトレックという名のモデルを発売したのは、2001年6月。それは、今までのステーションワゴンとも、ミニバンとも、オフロード向けの4輪駆動車(SUV)とも異なる、まったく新しいクロスオーバーSUVだった。三菱自動車が用いたキャッチフレーズは「スマートオールラウンダー」。つまり、今までのレジャービークルのすべての要素を盛り込んだモデルというわけだ。車名のエアトレック(Airtrek)とは、英語の爽やかな風(air)と旅行(trekking)を組み合わせた造語で、自由な冒険旅行と言った意味を持つ。

ランサー・セディアをベースにしたクロスオーバー

 エアトレックは、フロアユニットやサスペンション、エンジンなどを、極力既存の量産モデルのもの流用することで、生産コストを抑え、販売価格を引き下げる手法が使われていた。エアトレックの場合、直接的なベースとなったのはランサー・セディア(2000年5月発売)であり、ホイールベースは若干延長されて2625㎜となっている。ボディサイズは、全長4410㎜、全幅1750㎜、全高1540㎜となっており、高さ制限が1550㎜の標準的なタワーパーキングに入ることが可能。

 スタイリングは、三菱らしい尖った部分には乏しいが、商用車的な無個性なものではなく、バランスに優れたグッドデザイン。リアゲートの処理などは、ある種のスポーツハッチバックよりもスタイリッシュである。ボディーに一体化されたブリスターフェンダーなどは、パジェロやチャレンジャーなど、三菱製SUVに共通するデザインとなっている。インテリアでは、RVRにも採用されて好評だった、シフトレバーをダッシュボードに組み込んだスタイルとしており、前席間の移動を可能としている。

最強エンジンは240psを発揮する2リッターターボ

 搭載されたエンジンは、発売当初は排気量1997㏄の直列4気筒SOHC(4G63型、出力126ps/5500rpm)及び2350㏄直列4気筒DOHC(4G64型、139ps/5500rpm)の2種だったが、2002年6月から、インタークーラー付きターボチャージャーを装備した1997㏄直列4気筒DOHC16Vターボ(4G63型、240ps/5500rpm)を追加している。

 駆動方式はフロント横置きエンジンによるFFとフルタイム4輪駆動システムを持つモデルの2種があった。トランスミッションは4速/5速オートマチックのみの設定。サスペンションは前がストラット/コイルスプリング、後はマルチリンク/コイルスプリング。ブレーキはベンチレーテッドディスク(前)とリーディングトレーリング(後)の組み合わせとなる。

大人5名が快適に移動できるキャビン

 エアトレックは、室内スペースは大人5人が無理なく乗れ、比較的排気量の大きなエンジンを搭載したことで性能面でも余裕を持っていた。また、インテリアの仕様は2通りから選ぶことができ、ブラック&グレーの精悍なカラーが印象的なジェントル内装と、オレンジのカラーが新鮮なカジュアル内装を用意した。

 デビューしてから後の4年間で、度重なるマイナーチェンジやエンジンの仕様変更など、販売の拡大に向けて様々な試みを繰り返す。なかでも、2003年1月に登場のスポーツギアは、車体を55mmリフトアップ。精悍なフロントマスクや大型ルーフレールを採用するなどRVテイストを強調した新バリエーションとなった。
 デビューから4年半あまり、後継となるアウトランダーにバタンタッチし、エアトレックというネーミングは消えた。ちなみに、エアトレックは北米ではアウトランダーの名で販売。北米版姉妹車のネーミングに統一した形で次世代後継モデルへと移行したのだ。