ステージア 【1996,1997,1998,1999,2000,2001】
全車6気筒ユニット搭載の上質プレステージワゴン
ステージアが登場したのは、1996年10月。ローレル/スカイラインのメカニズムを活用して設計された上級ワゴン仕様だ。プレステージステーションワゴンの別称もあった。車名のステージア(STAGEA)とは舞台を意味するステージ(Stage)と先進性を意味するアドバンス(Advance)のイニシャルであるAを組み合わせた造語であるという。
上級乗用車に匹敵するスタイルや性能、装備などを備えた「高級な」ワゴンが流行し始めたのは、キャンピングやアウトドアスポーツが一般化した1980年代以降のことである。それは、SUV(Sport Utility Vehicle=多用途スポーツ車)の流行とも期を一にしているのだが、大型で扱いにくいSUVよりも、ラゲッジスペースの大きな乗用車であるステーションワゴンを好むユーザーは決して少なくなかった。こうした市場の動向を踏まえ、各メーカーは乗用車ベースのステーションワゴンの開発に力を入れることになった。
日産の代表的な高級ステーションワゴンであるステージアは、主要なシャシーコンポーネンツをローレル/スカイラインと共用することで生産コストを抑えている。ボディーサイズはホイールベース2720㎜でR33型スカイラインやC34型ローレルに等しい。当然全長や車幅は3ナンバーサイズとなる。乗車定員は5名。スタイリングは実用性を重視したクリーンなもので、あっさりとしたフロントグリルの造形や広大なラゲッジスペースなど、実用性に優れており、装飾過多な部分がないことから、ユーザーによってはスカイラインやローレルよりも好まれた。
室内装備はスカイラインやローレルの上級グレードに準じたものとなっており、ステーションワゴンとしてはかなり豪華な仕上げとなっていた。折り畳み可能な後席は、ラゲッジルームに設置したレバーで倒すことが可能だった。ボディタイプはワゴンながらサッシュレス式ドアを持つ、いわゆる4ドアハードトップで、比較的低めのシルエットが、スポーティーなイメージを訴求した。
駆動方式はフロント縦置きエンジンによる後2輪駆動(FR)及び4輪駆動(4WD)仕様が設定された。グレードは2輪駆動仕様が20G、25G、25Xの3種、4輪駆動仕様が25G Four、25X Four、RS Four、RS Four Vなど4種があった。
搭載されるエンジンは3種あり、すべて直列6気筒となる。排気量1998㏄(RB20E型、出力130ps/5600rpm)をベースエンジンに設定。主力は2.5リッターで、排気量2498㏄(RB25DE型、190ps/6400rpm)の自然吸気型、さらに2498ccにインタークーラー付きターボチャージャーを装備した最強版(RB25DET型、235ps/6400rpm)が選べた。トランスミッションは4速オートマチックを主力に、一部グレードには5速マニュアルを用意した。サスペンションは2輪駆動仕様が前=マクファーソンストラット/コイルスプリング、後=マルチリンク/コイルスプリングだが、4輪駆動仕様では前後ともマルチリンク/コイルスプリングの組み合わせとなる。ブレーキは4輪ベンチレーテッドディスクとして高性能化に対処している。
1997年10月には、日産の特殊車開発部門であるオーテックジャパンからR33型スカイラインGT-Rのパワートレーンをそのまま移植した260RSと呼ばれるスペシャルモデルがリリースされた。スポーティーワゴンの極め付けと言えるモデルで、性能的にはGT-Rに遜色ないもの。260RSはマニアの暑い視線を集めた。ステージアは1998年8月にマイナーチェンジが施され、後期型となった。クリーンなスタイリングはフォグランプを埋め込んだグリルなどクロームの飾りものが多くなったが、ステージアらしさは堅持されていた。
1998年のマイナーチェンジを経て、その後も魅力を重ねていくステージア。2000年6月には、これまでSOHCだった2リッターモデルがDOHCにグレードアップ。スポーティーな個性とリーズナブルなプライスを実現した20RSが登場した。搭載エンジンは、RB20DE型。1998ccの直列6気筒DOHC24Vで、最高出力155ps/6400rpm、最大トルク19.0kg-m/4400rpmのパワースペック。16インチアルミ、プライバシーガラス、本革巻きステアリング&シフトノブに加え、スーパーサウンドシステムなどを標準装備。247万5000円というリーズナブルな価格設定となっていた。
ステージアは2001年10月にフルモデルチェンジされ第2世代となった。