ランサー・エボリューションII 【1994】

ポテンシャルに磨きをかけた2世代目ランエボ



限定台数が即完売の超人気モデル

 三菱自動車は、モータースポーツに強い関心を持っていた。1960年にデビューした三菱500は1964年5月の第一回日本グランプリに3台が出場。モータースポーツへの関心は、その後ラリーへ向けられ、オーストラリアのサザンクロス・ラリーやアフリカのサファリ・ラリーなど国際的な大会で大活躍することになる。

 ラリー用マシンとして使われたランサーシリーズに、ランサー エボリューションと呼ばれる高性能マシンが登場するのは、1992年9月のこと。市販型の4ドアセダンであるランサーをベースに各部を大幅に強化、エンジンをひとクラス上のギャランVR-4に使われていたターボチャージャー付きエンジンに換装したモデルだった。小型軽量なボディにハイパワーエンジンを組み合わせる手法は、戦闘能力の高いスポーツモデルを目指す上での鉄則。以後のランサー エボリューションはラリーマシン定番となった。WRC(世界ラリー選手権)のホモロゲーションを得るため、一定の台数を生産・市販しなければならず、一般向けモデルと純粋なモータースポーツ用ベースモデルを同時に販売する。

260psの強心臓と4WDメカで大地を蹴る

 第2世代のランサー エボリューションは1994年1月に発売された。一般向けのロードバージョンはGSR、競技用のベースモデルはRSと区別されて販売された。第2世代はエボリューションIIの名が与えられ、一般には「エボII」と呼ばれる。WRCを統括するFIA(国際自動車連盟)の認定を得るための市販モデルであり、販売台数は2500台の限定販売となっていた。先代の初代エボリューションモデル(エボI)では、高い人気のため最初の2500台に加えて、さらに慌てて2500台の追加生産をするほどだった。

 エボIIは、エボIの忠実な改良型と言えるもので、実際のモータースポーツ活動を通じて得られた様々なノウハウを余すところなく盛り込んだ正常進化型だった。搭載されるエンジンは、先代と同様にギャラン系に使われていた排気量1997㏄の直列4気筒DOHC16バルブに電子制御燃料噴射装置(ECIマルチポイントインジェクション)および空冷式インタークーラー付きターボチャージャーを装備(4G63ターボ型、出力260ps/6000rpm、トルク31.5㎏-m/3000rpm)する。最高出力はエボI比10ps向上(トルクは同値)。エボIIのトランスミッションは5速マニュアルのみの設定。当然オートマチック仕様は設定されない。

WRCでの活躍でさらに人気を獲得

 駆動方式はフロント横置きエンジンによる4輪駆動である。サスペンションは基本的には市販車と同じ形式を踏襲しており、前がマクファーソンストラット/コイルスプリング、後はマルチリンク/コイルスプリングの組み合わせとなる。車重は1180㎏と軽い。価格はRS仕様が230万円8000円(GSR仕様は289万8000円)となっていた。

 エボIとエボIIは外観こそ大きな変化はないが、エボIで曲がらないと不評だった足回りのリファインを行い、同時にボディ剛性アップを実施。タイヤサイズは、195/55R15だったエボIに対し、エボIIでは205/60R15へとタイヤ幅が拡大した。トレッドはフロントが15mm拡大し1465mmに、リアは10mm拡大の1470mm、ホイールベースは10mm延長の2510mmになった。足回りのリファインは、走りを大きく進化させ、エボIIはエボIとは全くの別物という評価をもたらしている。

 ランサー・エボIIは、1994年にモンテカルロラリーで4位入賞を獲得、高いポテンシャルを見せつけた。続く1995年のスウェディッシュラリーで優勝している。