ハイラックス・サーフ 【2002,2003,2004,2005,2006,2007,2008,2009】

スタイリッシュSUVの完成形。日本市場ラストモデル

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主要コンポーネントの共用策を推進

 1995年12月に“New SUV”として市場デビューを果たして以来、ミディアム級SUVの定番モデルに位置づけられた第3世代のハイラックス・サーフ。サーフはアメリカ市場で絶大な人気を誇る国際車だった。それだけに第3世代は一段と大きく、スタイリッシュで逞しく変身する。

 メカニズム面でも大きく進化した。同クラスのSUVであるランドクルーザー・プラドとの主要コンポーネントを共用化を図ったのである。また、開発はトヨタ自動車とグループ傘下の日野自動車が共同で行う体制を構築。生産については、日野自動車の羽村工場で実施することとした。

“スタイリッシュ&パワフル”な5ドアSUVを創出

 エクステリアについては、トヨタデザインのキーワードである“VIBRANT CLARITY”(ワクワクする、爽やかで明快なデザイン)の具現化に重点を置くとともに、ハイラックス・サーフ独自の逞しくスポーティなムードを全面的に付与する。フロント部はワイド&ハイリフトをテーマに、2本の横バーと四角いマークベースの力強いグリルや凸面処理したバンパー形状などでSUVのパワフルさと洗練された雰囲気を表現。サイド部は力感を強調したボディ断面やホイールアーチ形状、フロントピラーから弧を描くように流れるキャビン形状とそれを受ける幅広いクォーターピラーによってスタイリッシュかつスポーティなムードを演出する。

 リアビューではバックウィンドウまわりの堂々とした形状やライセンスプレートまわりのボリューム感、背面スペアタイヤの廃止などによって、力強さと都会的なイメージを融合させた。ボディサイズ自体は従来比で全長115mm、全幅75mm、全高25mm、ホイールベース115mmほど拡大させ、SUVとしての存在感をいっそう高めた。

 インテリアは室内空間をより広く感じさせるシンプルで滑らかなデザインを基調とし、そのうえで6角ナットをモチーフにした独立3眼メーターやスタイリッシュなコントロールパネル類を配してスポーティなキャビンルームを構成する。また、4WDの切り替え操作をダイヤル式に、パーキングブレーキを足踏み式に変更してすっきりとしたコクピットを演出。さらに、ラゲッジルームには上下2段で使用できるダブルデッキを取り入れ、積載時の機能性を大きく向上させた。

進化したマルチモード4WDを採用

 基本骨格に関しては、ランドクルーザー・プラドと共通の新設計高剛性フレームを採用したうえで、懸架機構には前ダブルウィッシュボーン/コイル、後4リンク/コイルを組み合わせる。上級グレードには、左前輪と右後輪、右前輪と左後輪のそれぞれの単筒式ショックアブソーバーを中間ユニットを介してクロスに連結するX-REASを装備した。

 搭載エンジンは改良版の5VZ-FE型3378cc・V6DOHC(185ps/30.0kg・m)/3RZ-FE型2693cc直4DOHC(150ps/24.0kg・m)/1KD-FTV型2982cc直4DOHC直噴ディーゼルターボ(170ps/35.9kg・m)という3機種を設定。トランスミッションにはECT-E(電子制御フレックスロックアップ付4速AT)をセットする。駆動システムには進化版のマルチモード4WDとシンプルな2WD(FR)を採用。4WDには前後輪の基本駆動力配分比を40:60とする新構造のトルセンLSDを組み込んだ。

環境性能をより高めたエンジンに刷新

 第4世代となる新型ハイラックス・サーフは、2002年10月に発表、翌11月に発売される。車種展開は上級グレードのSSR-GとベーシックモデルのSSR-Xをラインアップ。SSR-Xでは材着メタリックのバンパーやフェンダーなどを装着したドレスアップ仕様の“アメリカンバージョン”を加え、またSSR-Xのガソリンエンジン仕様では4WDのほかに2WDを用意した。

 市場の状況を鑑み、月販目標を2000台と少なめに設定した4代目ハイラックス・サーフ。一方で開発陣は、4代目の魅力度を高めるための改良を鋭意図っていく。まず2004年8月には、ベーシックガソリンエンジンを3RZ-FE型から環境性能に優れる2TR-FE型2693cc直4DOHC(163ps/25.1kg・m)に換装。同時に、ナビゲーションシステムのG-BOOKへの対応やエンジンイモビライザーシステムの標準装備化などを実施する。2005年7月になると、フラッグシップユニットのV6を5VZ-FE型から1GR-FE型3955cc・V6DOHC(249ps/38.8kg・m)へと変更し、組み合わせるミッションも5速AT(5 Super ECT)化。さらに、内外装の一部意匠変更やディーゼルエンジンモデルの廃止なども行なった。