CR-V 【1995,1996,1997,1998,1999,2000,2001】

ホンダ初の都会派クロカンSUV

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クリエイティブムーバーという新発想

 レジャービークルの開発で出遅れた1990年代前半の本田技研は、起死回生策の“クリエイティブ・ムーバー”(生活創造車)構想を立案し、1994年10月にはその第1弾となる新世代ミニバンのオデッセイを発売して大ヒットさせる。この勢いに乗って、開発陣はクリエイティブ・ムーバーの第2弾である“クロスカントリー4WD”の企画を推し進めた。
 新しいクロカン4WDの基本コンセプトを決めるに当たり、開発陣は「乗用車感覚の実現」を重要項目として掲げる。そのうえで、1)セダンと同等の快適性 2)ワゴンのユーティリティ空間 3)クロカン4WDの機動性 4)機能と安心の新スタイリングという4テーマを設定した。

コンセプトは快適で自由。機能は欲張り

 セダンと同等の快適性については、市街地での軽快な走りや高速走行での安定性、不整地での頼れる走りを目標とし、新開発のB20B型1972cc直4DOHC16Vエンジンと専用チューニングの4速AT、4輪ダブルウイッシュボーン式のサスペンション、高剛性のモノコックボディを採用する。ユーティリティに関しては、フラットフロアとコラム式ATによるセンターウォークスルー機能、多彩なシートアレンジ、テイクアウトテーブルの設定などで高い利便性を実現した。クロカンの機動性については“必要にして十分”のアクティブ性能を基準とし、軽量デュアルポンプ4WD(リアルタイム4WD)の熟成や地上高&対地障害角度の確保を図った。スタイリングに関しては、日々の生活シーンからスポーツ&アウトドアシーンまで、あらゆる場所で映える外観を目指してデザインを手がける。当時の開発スタッフによると、幅広い行動範囲を有する“トレッキングシューズ”をイメージして全体のフォルムを構築していったという。

シンプル2グレード構成。全車4WD

 クリエイティブ・ムーバーの第2弾は、1995年10月に市場デビューを果たす。車名はComfortable(快適な)/Runabout(自由に走り回る)/Vehicle(乗り物)の頭文字を取って“CR-V”と命名。車種展開は非常にシンプルで、4ドア+横ヒンジハッチゲートの1ボディ、B20B型(130ps)の1エンジン、4速ATの1ミッション、標準仕様とB仕様(廉価版)という2グレードで構成していた。駆動方式は全車4WDだった。

 ベルノ店とプリモ店の2系列から発売されたRD1型のCR-Vは、クリエイティブ・ムーバー第1弾のオデッセイと同様、好セールスを記録する。ユーザーの評判は非常に高く、とくにサイド&センターのウォークスルー機能やフルフラットにできる前後シート、4連スリーブブロックエンジンによる軽快なハンドリング、安定感の高い乗り心地などが好評を博した。

販売好調! ラインアップの拡充

 乗用車感覚で扱えるCR-Vは、やがてトヨタRAV4とともに“ライト・クロカン”と呼ばれる人気カテゴリーとなり、市場での一大勢力に発展していく。この勢いを維持しようと、本田技研の開発陣はCR-Vのラインアップ拡充と装備の充実を積極的に図った。

 1996年9月に最初のマイナーチェンジを実施し、新ボディ色の設定やナビゲーションシステムの機能強化(音声ガイダンスの適用)、高熱線吸収グリーンガラスの装着拡大(運転席&助手席サイド)などを図る。同時に、CR-Vの生産を従来の鈴鹿工場(三重県)に加えて狭山工場(埼玉県)でも行うようにした。翌1997年10月には2度目のマイナーチェンジを実施。スマートスケープとアクティブスケープ(145psエンジン+5速MT仕様)という新グレードの設定やデュアルポンプシステムのハイレスポンス化、新ダイレクト制御4速ATの採用、ABSと前2席エアバッグの標準装備化、ボディ同色リアガーニッシュの装着などを実施する。またこの年のモデルから左ハンドルの輸出仕様も生産され、北米を中心に輸出されるようになった。

 3度目のマイナーチェンジは1998年12月に行われる。グレード展開は従来の発展型の“パフォーマ”とスペアタイヤを床下収納式とした“フルマーク”を用意。さらにFF仕様の設定やエンジンの出力アップ(150ps)、内外装のリファインなどを図った。
 通常の国産モデルならフルモデルチェンジの時期となるデビュー4年後の1999年11月、CR-Vは装備充実の2タイプを追加するという手段で新鮮味をアップさせる。ナビゲーションシステムの装着と快適装備(フロント・ハーフシェイドガラス/プライバシーガラス/電動格納式ドアミラー/アルミホイール/運転席ハイトアジャスター)の充実を図った新タイプは、“ナビオ”という名称が付けられていた。2000年5月になると、再びグレード展開を拡充。パフォーマにFF仕様を追加するとともに、大型電動ガラスサンルーフや専用木目調センターパネルなどを備えた特別仕様車のフルマーク・プレミアムを設定した。