シビック 【1987,1988,1988,1989,1990,1991】

ゆとりを身に付けた熟成ベーシック



ラウンディッシュな造形の第四世代!

 1987年9月に登場した第4世代のシビック・シリーズは最もベーシックな3ドアハッチバック、3BOXスタイルの4ドアセダン、ミニワゴンである5ドアハッチバック(シャトル)の3車種で構成される。基本的な車種構成は先代モデルからのキャリーオーバーとなるが、4年の時間は各車種とも明確かつ確実な進化を見せていた。各車種とも使われるシャシーは共通で、ホイールベースは2500mm、前1450mm、後1455mmのトレッドは全車同一である。

 当時のシビックは歴代モデルごとに開発コンセプトを示すキャッチコピーを持っていた。第4世代のキャッチコピーは“グランドシビック”。ちなみ第3世代は“ワンダーシビック”、第5世代は“スポーツシビック”を名乗った。
 グランドというネーミングに込めたメーカーの思いは、上質さや熟成だった。グランドシビック(3ドアハッチバック)のスリーサイズは3965×1680×1335mm。第3世代ワンダーシビックの3810×1630×1340mmと比較し、一回り大きく、低くなっている。ボディーサイズ拡大がグランドを物語っているのは確かだが、このサイズ拡大は、シビックが国際派ファーストカーとして十分な居住スペースやゆとりを実現したことを意味した。

国際サイズのルーミーな室内空間が魅力

 従来までのシビックはFFレイアウトが生む合理的なパッケージによりボディーサイズの割りに広い室内を実現していたことは確かだったが、やはり絶対的には余裕十分とはいえなかった。例えばVWゴルフなどと比較すると明らかに狭かったのだ。しかし第4世代は違った。室内長は1830mmとたっぷり。しかもグラッシーな構成により開放感も高かった。荷室スペースも格段に広くなり、新開発4輪ダブルウイッシュボーン式サスペンションの採用で乗り心地や走行安定性も明らかにジャンプアップしていた。シビックは第4世代で内容的に大きく進化した。その進化ぶりをメーカーは“グランド”と表現したのである。

エンジン屋の真骨頂を見せたスポーツ心臓

 第4世代のグランドシビックは、全車が高効率&高性能な16Vユニットを搭載していた。16Vユニットとは1気筒当たり吸気2/排気2の4バルブ構成を持つ4気筒エンジンを意味する。エンジン本来のポテンシャルをフルに引き出すための贅沢なメカニズムで、当時はスポーツモデル用の高性能エンジンのみが採用していた。しかしホンダはシビック全車に16Vを採用する。“ハイパー16V”と命名されたエンジンはクロスフロー式バルブ配置を採用、4個のバルブの中央に点火プラグを配置することで最大限の燃焼効率を実現した。燃焼室形状もパワー重視のペントルーフ型である。

 電子制御キャブレターを組み合わせたシングルカム仕様と、スポーツ性能を磨いたSi用のツインカム仕様があり、シングルカム仕様は1.3Lの82psから1.5Lツインキャブ仕様の105psの3種。スポーツ指向のツインカム仕様は1.6Lで130 psを発揮した。1989年にはさらにパワフルなスポーツ心臓として1.6LツインカムVTEC(160ps)も登場。全ユニットともにホンダのスポーツスピリットを表現した爽快パワーでユーザーを魅了した。

セダンとシャトルに4WDを新設定

 シビック・シリーズのイメージリーダーは第4世代も3ドアハッチバックだった。しかしセダンや5ドアのシャトルも専用ボディーの採用で独自キャラクターを鮮明にする。走りの面でも4WD仕様の設定により3ドアハッチバックとの違いを明確にした。セダンと5ドアシャトルが採用した4WDシステムはビスカスカップリング式のメカニズムだった。通常は前輪駆動で走り、後輪がスリップすると瞬時に4WDに自動的に切り替わるシステムである。

 積雪路などの滑りやすい路面でメーカーが“リアルタイム4WD”と命名したシステムの優位性は抜群で、安全で信頼感たっぷりの走りを実現した。雨の高速道路などでのスタビリティも見事だった。4WD仕様のシビックは全天候対応の頼もしい相棒だったのだ。機構なシンプルなため軽量に仕上がり、シビックのセールスポイントである燃費のよさを維持していたのも魅力だった。

価格帯は86万から173万円!

 サスペンションは旧型とは異なり、前後輪ともダブルウイッシュボーン/コイル・スプリングとなった。大幅な性能向上と同時に、トランクスペースの拡大など、メリットは計り知れない。ステアリングはラック&ピニオン式でグレードによってパワーアシストが標準化されている。ブレーキも上級グレードは4輪ディスクブレーキとなり、タイヤは全車ラジアルタイヤが標準装備。

 グランドシビックの価格幅は従来モデル以上に広くなっていた。最も安価なモデルは排気量1343ccエンジンに5速マニュアルトランスミッションを備えた3ドアハッチバックで、86万円。最も高価なモデルは排気量1590ccエンジンにリアルタイム4WDシステムを備える35XRTi4WDの173万円となっていた。ライバルのトヨタ・カローラと価格はほぼ同等。しかし、その内容から見れば十分にお買い得と言えるものとなっていた。