ディアマンテ 【1995,1996,1997,1998,1999,2000,2001,2002,2003,2004,2005】

風格と性能を磨いた2代目先進ビッグサルーン

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大型ボディの風格ある佇まい

 余裕を大切にしたアッパーミドルクラス車が三菱ディアマンテである。車名のディアマンテ(Diamante)は、スペイン語でダイヤモンドを意味し、三菱のエンブレムであるスリーダイヤモンドにも準じたもの。

 初代モデルは、三菱の最高級モデルであるデボネアの下に位置するパーソナルユースを前提とした高級車として、1990年5月にデビュー。当初から3ナンバーサイズのゆったりしたサイズのボディと端正なスタイリングの4ドアパーソナルカーとして好評を得ていた。

 ディアマンテは、1995年1月にフルモデルチェンジを受けて第2世代となった。旧モデルにも増して、当時の三菱が持てる最新技術のすべてを注ぎ込む形で、あらゆる快適装備と走りの性能と安全性を向上させる機能が盛り込まれた。モデルのコンセプトやエンジンバリエーションは基本的に先代から引き継いでいた。

最上級車は3リッターMIVECエンジン搭載

 ハードトップのボディスタイルは設計し直され、安全性をさらに向上させた。2代目はサイズ的にもひと回り大型化している。拡大されたのは、後部座席のヘッドスペースとトランク容量であり、それは旧型で指摘されていた欠点でもあった。ボディサイズでは、ホイールベースは2720㎜と変わらなかったが、全長が45㎜プラスの4785㎜に、全幅は10㎜プラスの1785㎜に、全高は25㎜プラスの1435㎜となった

 エンジンのラインアップは、1998㏄仕様がなくなり、排気量2972㏄のⅤ型6気筒DOHC24バルブMIVEC(6G72型、出力270ps/7000rpm)を筆頭に、MIVECなしの230ps/6000rpm仕様、排気量2497㏄DOHC24バルブ(6G73型、出力200ps/6000rpm)、さらにリーンバーンシステムを搭載した排気量2497㏄SOHC24バルブ(6G73型、出力175ps/5500rpm)など4種があった。

4輪マルチリンクサスを採用

 駆動方式はフロント横置きエンジンによる前2輪駆動もしくは三菱お得意のフルタイム4輪駆動で、上級モデルには足回りとトランスミッションを統合制御するINVECS‐Ⅱが装備される。トランスミッションは4速ないし5速のオートマチックのみの設定。

 サスペンションは新設計。足回りは前後ともマルチリンク/コイルスプリング、ブレーキ系では、全グレードで4輪ベンチレーテッドディスクとしている。また、グレードによって、アクティブECS(エレクトロニック コントロール サスペンション)や車速・操舵力感応型4輪操舵システム(4WS)、4ABSなどの装備を可能としていた。

2代目は新開発エンジンを積極導入

 デビューから2年半が経過した1997年7月、ディアマンテは全車に3リッターGDI直噴エンジンを搭載するマイナーチェンジを実施する。搭載した新ユニットは、2972ccのV型6気筒DOHC24Vの直噴エンジン。240ps/5750rpmの最高出力と31.0kg-m/3500rpmの最大トルクを発揮し、10・15モード燃費は11.8km/Lをマーク。2リッタークラスを凌駕する低燃費と、3リッターならではのゆとりを両立した。

 1999年になると、2.5リッターモデルが復活する(1999年9月)。搭載したのは新開発の2.5リッターGDI直噴エンジンで、最高出力は200ps/6000rpm、最大トルクは25.5kg-m/3500rpm。10・15モード燃費は13.0km/Lで、2.5リッター車でトップクラスの低燃費を達成していた。

 ディアマンテは、年を追うごとに完成度を高めていった.しかし三菱自動車が極度の経営不振に陥り、高級車市場からの撤退を決定したことに伴い、2005年、生産中止となった。三菱らしいハイテクを満載した上級モデルであった。