シャレード 【1993,1994,1995,1996,1997,1998,1999,2000】

“ハーモニック・バランス”を謳った第4世代

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世界に通用するジャストサイズカーを目指して−−

 1977年10月のデビュー以来、国産コンパクトカーの代表格として、3世代に渡って高い人気を得てきたダイハツ工業のシャレード。その実力は海外市場でも高く評価され、1990年代初頭までには国内販売と輸出がほぼ同レベルで推移していた。次世代モデルは海外需要も意識したコンパクトカーに仕立てなければならない−−。そう判断したダイハツの開発陣は、好景気による豊富な資金を背景に、第4世代となるシャレードの企画に鋭意取り組むこととなった。

 開発陣がテーマとして掲げたのは「小さな実力車」の創出で、そのために快適性と安全性、そして経済性の3つの基本性能を高いレベルで調和させることを目指す。具体的には、“6m2カー”“ロングホイールベース”“4気筒1300cc”というジャストサイズのパッケージング案を構築した。

“ハーモニック・バランス”のキャッチで市場デビュー

 4代目となる新しいシャレードは、「シャレード1300」の車名で1993年1月に市場デビューを果たす。キャッチフレーズは“ハーモニック・バランス”で、型式はG200S。ボディタイプはスポーティな3ドアハッチバックと実用性の高い5ドアハッチバックの2タイプを設定した。

 外装については、従来の端正で上質なハッチバックスタイルを基本的に踏襲しながら、ホイールベース(従来比+55mm)やボディ長(従来比+70mm)の拡大を実施して居住性を向上させる。また、新しさを強調するために新意匠のクリスタルヘッドライトなども採用した。

 内装では、広い室内有効長(1640mm)や高めの着座位置による優れた視認性を確保し、ロングドライブでも疲れないキャビンスペースを実現。インパネやシート表地といったパーツも、より洗練度を高めた。一方、ボディに関してはコンピュータを駆使した骨格の最適配置に加え、ピラーやルーフなど各部位の強度も引き上げた新設計の“高剛性ボディ”を採用する。さらに、衝撃を効果的に吸収・分散するクラッシャブル構造やフロントセーフティバー/サイドインパクトビーム/フロントサブフレームの装着などを実施した。

エンジンは4気筒レイアウトのみ

 搭載エンジンは従来のHC-E型1295cc直4OHC16Vエンジンの改良版で、本体の軽量化やカムプロフィールおよび吸排気アレンジの変更などを実施する。同時に電子制御式燃料噴射装置(EFI)のコンピュータ容量アップも図り、過渡トルクの向上と燃料消費の低減を達成した。

 パワー&トルクは91ps/6500rpm、11.0kg・m/4000rpmを絞り出す。組み合わせるミッションは5速MTのほかに、新開発の電子制御式4速AT“ESAT”を用意する。ESATはAUTO/POWER/EASYという高度にエレクトロニクス化された3モードを設定し、多彩な走行パターンに対応した。サスペンションは新設計の4輪ストラットで、フロントにはL型ロワアームとサブフレームを、リアには延長およびパイプ化したロワアームを装備。ロングホイールベースと相まって、優れた乗り心地と直進安定性を実現した。

車種ラインアップの積極的な拡大

 1Lの3気筒ガソリンやディーゼルエンジン、そしてターボ仕様などが省かれて1.3Lに1本化し、さらにボディが大きくなって内外装の上質さも増した第4世代シャレードは、車格が確実に1ランク上がっていた。その上級指向は、1993年8月に発売された追加車種によって、より顕著になる。HE-EG型1498cc直4OHC16Vエンジンを搭載する「1500」シリーズ(FFがG203S型、4WDがG213S型)が設定されたのだ。

 さらにスポーツモデルとして「シャレード・デ・トマソ」(G201S型)が復活。搭載エンジンには、新開発の“テンロク”HD-EG型1589cc直4OHC16Vユニットが採用された。
 1994年5月になると、3BOXセダンのシャレード・ソシアルがG203S/G213S型系のニューモデルに切り替わる。エンジンはHE-EG型1498cc直4OHC16Vユニットを搭載。ボディ長はハッチバック比で+350mmの4100mmにまで拡大し、トヨタのターセル/コルサと肩を並べるクラスに成長した。

 その後の第4世代シャレードは、1995年11月にマイナーチェンジが実施されて内外装を変更。1996年10月と1997年9月にも装備類の一部変更などが行われる。そして1998年にデ・トマソ、1999年にソシアル、2000年にシリーズ全体の国内生産を終了。第5世代は生産されず、実質的な後継はストーリア(M100S/M110S型)が担うこととなったのである。