ヴォクシー 【2001,2002,2003,2004,2005,2006,2007】

精悍なマスクを持つミドル級ミニバンのヒット作

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ライトエース・ノアを継承するニューモデルの系譜

 ヴォクシーという新たなミニバンがトヨタのラインアップに登場したのは、2001年11月。同じく3列シートを持つノアと同時にリリースされた。この事実から類推できるようにヴォクシーの先代は、「ライトエース・ノア」である。
 最初に系譜を紹介しておこう。「ライトエース」そのものは1970年にパブリカのキャブオーバー仕様「ミニエース」の発展版として開発された。また、カローラのキャブオーバー仕様というポジショニングの「タウンエース」は1976年に誕生している。タウンエースとライトエースは1992年にボディを共通化。エンブレムやディテール違いの姉妹車となった。この姉妹車は1996年にサブネームがついた「タウンエース・ノア」と「ライトエース・ノア」に生まれ変わり、2001年、タウンエース・ノアはタウンエースの車名が取れて「ノア」という車名に変更。それと同時にライトエース・ノアは全く新しいネーミング持った「ヴォクシー」に進化したのだ。

ノアとは異なる精悍なフロントマスクの採用

 系譜から分かるように、カローラを祖先に持つノアはカローラ店の取り扱いモデル。ヴォクシーはパブリカから始まる血筋だけに、オート店からブランド名を変更した「ネッツ店」での取り扱いである。
 ヴォクシー「VOXY」というネーミングは、英語のVOX(言葉や声という意味)からの造語。BOXY(英語「箱型」の意)を連想させ、同時に若々しい響きの語感を持つことから命名された。

 ノアとヴォクシーの大きな違いは、フロントマスクにある。存在感を強調しながらも親しみやすさを演出したノアに対して、ヴォクシーはミニバンながら引き締まったイメージを追求。グリルを薄型にデザインするとともに、ヘッドライトに分割デザインを採用。鋭さや迫力を追求し、精悍なスタイルを作り上げている。そのほか、サイドを貫くベルトラインや、シャープで勢いのあるフェンダーラインなどにより、クールなイメージを細部にまで表現した。

ダーク調のインテリアカラーを採用

 インテリアの基本デザインはノアと共通する。全車にセンターメーターを採用し、高い視認性とともに、すっきりしたレイアウトを実現。インストルメントパネルは、中央に機能を集めて操作性を高めている。また、上級グレードには、オプティトロンメーターを採用。室内色は、ノアはグレーとアイボリーを採用するのに対して、ヴォクシーはダーク調カラーのみの設定となっていた。

 フロントシートは、運転席、助手席ともにヒップポイント地上高を795mmに設定(FF車)。スムーズな乗り降りを実現している。セカンドシートは、2対1分割スライド機能を装備。左右どちらも簡単操作で前方に起き上がり、左右どちらのスライドドアからもサードシートへの乗り降りを容易にしている。また、サードシートとの対面が可能なマルチ回転シートを全グレードにオプションで用意した。

3グレードを基本にした分かりやすいラインアップでデビュー

 ヴォクシーは、ノア同様、シンプルな車種構成が特徴だった。搭載エンジンは、1AZ-FSE型1998cc直列4気筒DOHC16Vのみ。FF、4WDともに同エンジンを積み、152ps/20.4kg-mのパワースペックも全車で共通する。FFはX、Z、Vの3グレードを基本に、XにはGエディションとGエディションナビパッケージを、ZにはGエディションを設定。Vにはパッケージ仕様はなく、計6タイプという設定だ。4WDもこの構成とほぼ同じだが、XにGエディションVSCパッケージがプラスされ、こちらは7タイプでの展開。
 トランスミッションは、2WD、4WDともにコラム4速AT(ECT-iE)のみとなっていて、計13タイプでのラインアップで登場している。ちなみにノアはさらにシンプルで、2WD、4WD合わせて10タイプでデビューした。