チャレンジャー 【1996,1997,1998,1999,2000,2001】

タフな四駆メカが自慢のパワフルオフローダー

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スタイリッシュで低いルーフ高の都会派クロカン

 オフロード向けの4輪駆動車は、走行安定性や安全性の高さなどで、市街地の走行でもその力を発揮することができた。しかし、実用一辺倒の無骨なスタイルや操作系の重いことは、必ずしも市街地走行向きとは言えない部分もあった。1990年代中盤になると耐久性や走行性能はそのままに、もっとアーバンなシーンにフィットするモデルが求められるようになった。いわゆる「シティオフローダー」と呼ばれる種類のモデルの誕生である。1996年7月にデビューした三菱チャレンジャーは、シティオフローダーの要素を採り入れたモデルのひとつであった。

メカニズムはパジェロがベース

 チャレンジャーの成り立ちは比較的簡単なもので、オフロード向け4輪駆動車として定評のある三菱パジェロのホイールベース2725㎜のロング仕様がベース。そのラダーフレームや足回り、駆動系をほぼそのまま利用し、3列目シートを外し、新しく造られたルーフを低めたスタイリッシュなボディを組み合わせたものだ。基本的なスタイルはパジェロロングと同じく4ドア+ハッチゲートだが、全高は1730㎜とパジェロの1870㎜よりは大分低くなっている。さらに、主要モデルの全幅は1775㎜で5ナンバーサイズにこだわることなく、乗車定員を5名としているために、室内スペースには大きな余裕が生まれた。

 室内のシートアレンジメントの特徴として、左側のリアシートをフロアに落とし込み、助手席のシートバックをフラットにセットすれば、最大で2800㎜もの長さのラゲッジスペースが生まれた点。大型のサーフボードでも積み込めた。また、オフロード向け4輪駆動車の定番であるリアゲート外側に取り付けるスペアタイヤをリア床下に置くことで、リアスタイルをスッキリさせている。無論、スペアタイヤをリアゲート外側に取り付けることも可能だ。レジャーカーとしても良く考えられていた。

V6のほか2種のディーゼルターボを設定

 デビュー当初、搭載されたエンジンは排気量2972㏄のV型6気筒SOHC24バルブ(6G72型、出力185sp/5500rpm)のガソリン仕様のほか、排気量2835㏄の直列4気筒SOHCインタークーラー付きターボディーゼル(4M40型、125ps/4000rpm)、排気量2476㏄の直列4気筒SOHCインタークーラー付きターボディーゼル(4D56型、105ps/4200rpm)の2種のディーゼルユニットがあった。主力グレードのトランスミッションは4速オートマチックにスーパーセレクト4WDを装備(マイチェンでGDIエンジンやINVECS-IIスポーツモード付きATを採用)。サスペンションは前がダブルウィッシュボーン/トーションバー、後ろが3リンク/コイルスプリング。ブレーキは4輪ディスクである。

パリダカでも活躍の本格派

 基本的にはパジェロの派生車種であったから、オフロード性能はパジェロと変わらず極めて高いレベルにあった。1997年のパリ~ダカール・ラリーでは総合4位入賞を果たしている。チャレンジャーは、1997年8月マイナーチェンジを実施。搭載エンジンの変更などを行った。ガソリンエンジンは、3L V6から3.5L V6 GDI仕様に変更。排出されるCO2を30%低減するとともに、60psアップの245ps/5500rpmの最高出力と、8.0kg-mアップの35.0kg-m/2500rpmの最大トルクを達成した。そのほか、2.8Lディーゼルエンジンを電子制御化(140ps/32.0kg-m)。2.5Lディーゼルターボユニットはラインアップから除かれている。
GDIエンジン車には、シフトアップ&ダウンをマニュアル感覚で楽しめるINVECS-IIスポーツモード付きを搭載したのもこのマイチェンのタイミングだ。エクステリアでは、フロントグリルを全面メッキ化。ドアミラー、ドアハンドルもメッキとし、エアロフォルムのサイドステップの新採用も行った。

 チャレンジャーの大柄なボディは、日本国内よりも海外市場での評価が高く、2001年6月にチャレンジャーよりもひと回り小型のエアトレックの登場により、日本国内での販売を終了、海外市場向け専用モデルとなった。ただし、中国市場などでは合弁会社による生産が前提とされているために、現地法人の工場で生産されていた。